今回は【なぜカラーテスト高得点で中学でも優等生と期待する親が多いのか】と題し、お話をしていきます。
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子どもが小学校に入学すると、それはすなわち【子どもとテストの関わりがスタートする】ということを意味しています。
おそらく、教育に関心が強いかどうかに関わらず、大半の親は子どものテストの結果を気にすると思います。
低学年の頃はクラス内でも高得点を取る子は多いものの、学年が上がれば少しずつその人数も減っていきます。
小学4年生や5年生になると満点や高得点を取る顔ぶれも固定化し、【あの子は勉強が得意】というのがクラス内での共通認識になります。
ですから、我が子が小学校のカラーテストで高得点を取る回数が多ければ【この子は中学でも優等生だろう】【それなりに良い順位になる】【進学校は間違いなし】と期待する保護者が多いのは、ごく自然な反応かもしれません。
私も塾で仕事をしている時も、そして子育てをしている中でも【学校のテストはそれなり良いから大丈夫】という安心感を抱いているママさん達に出会ってきました。
【カラーテストの良い点数】というのは捉え方は異なり、85点で高得点と感じる人もいれば、90点以上を良い点数としている方もいます。
ただ、確実に安心できるのは、【クラスメイトの大半がいつもより点数を落としている単元でも満点や高得点を取れる】です。
例えば、小学4年生の【がい数】は普段の算数のテストよりも10点くらい低くなることが珍しくない、苦手とする子が多いので、そういう多くの子が苦戦する単元でも楽々満点や95点を叩き出しているかどうかと冷静になることも大切です。
それ以外にも、親がカラーテストの点数に惑わされてしまい、【うちの子は中学生になっても優等生】と思ってしまう理由をご紹介していきます。
カラーテストは子どもの学力の目安
まず、テストの点数は、家庭にとって最も分かりやすい【学力の指標】です。
とくに小学校では、日々の学習の成果を測る手段として、カラーテストが頻繁に行われます。
単元が終われば時間を経たずにテストを受けるので、高得点が取りやすいと言われています。
点数が100点に近ければ【この単元をしっかり理解している】と親も判断し、どの教科も良い点数を取っていれば【この子は勉強が得意】と感じるのも無理はありません。
親はテストの結果を通じて【学校でちゃんと先生の話を聞いている】【理解力がある】といった子どもの学習面の姿勢や能力も読み取ろうとします。
中学校に進学してもテストの形式は変わりますが、基本的に【テストの点数で評価される】世界ですから、小学校での高得点は【この先も安心できる】という感覚につながりやすいです。
しかも、高得点を取り続けるためには、ある程度の集中力、学習習慣、子どものやる気も必要です。
勉強を頑張っていると思えば、【努力できる子=中学でも自立して勉強できる】というイメージが重なり、自然と中学での活躍を期待するようになります。
けれど、小学校のカラーテストは、内容が基本的で教科書に忠実なため、基本問題で構成されています。
授業をしっかり聞いていれば高得点が取れる構成になっています。
そのため、中学に進学してもそのまま学力を維持し、最上位層からミドル層より上の子もカラーテストでは点数が取りやすいという問題点があります。
親も【今の学力が将来も続く】と信じたくなるのも分かりますが、冷静に受け止めることも必要です。
そして、塾のテストよりも学校のカラーテストを重視する親もいたりします。
私も塾で保護者面談をした際に、塾のテストは難しすぎると指摘されつつも【小学校のテストは良いので】と言われることがありました。
それくらい、親にとってカラーテストの存在感は大きいのだなとその時は思いました。
ただし、実際には中学校に進むと学習の内容が難化し、スピードも速くなり、思考力や応用力がより求められます。
塾のテストよりも小学校のテストを重視していた家庭の子は不思議なことに学年が上がるタイミング、または中学生になると成績の伸び悩みを経験していました。
そのため、カラーテストの高得点がそのまま中学での成績に直結するわけではありません。
高得点を取っているから賢いと信じている
さて、カラーテストで高得点を取っていると親も子も【賢い】と思ってしまうのは仕方がないことです。
小学校のテストというのは塾通いをしている、中学受験を予定しているような小学生を除くと【学校のテストの点数が子どもの学力を語るもの】という受け止め方をします。
これは親だけでなく、子どもも学校のテストの点数で判断します。
本格的に塾通いをし始める子が増えてくるのは小学校6年生、中学生になってからですし、それ以降は【学校のテストの結果と塾でのテストの結果は別物】というのを痛感するようになるわけですが、塾通いする前の段階では【小学校のテストで良い点数を取っているから賢い】【賢いから中学でも優等生】という固定観念を抱きがちです。
親もまた、子どもが高得点、満点を取っていると【うちの子はできる】という成功イメージを強く持つようになります。
さらに周囲のママ友、学校の先生などからも【よくできています】【優秀ですね】と言われると、親の期待はさらに高まります。
そうした積み重ねが、【中学でもきっと成績上位だろう」という将来像につながっていきますし、なかなか【現実的にトップ高校に入る子は小学校でもごくわずか】というのを受け止められないと思います。
小学校の段階で好成績を取っていれば、【中学でも上位に入れるはず】【高校受験も安心】と期待を膨らませたくなるものです。
とくに周囲の子どもたちと比較した時に我が子の点数が高ければ、【やっぱりうちの子は頭が良い】と確信し、親の期待値はどんどん上がっていきます。
しかし実際には、カラーテストは授業内容に沿った基本問題が中心で、思考力や応用力を問うものではなく、学力の一側面しか測っていません。
それでも一度【できる方だ】と信じてしまえば目に見える点数を根拠に【この成績は中学進学後もキープする】と思い込んでしまうのです。
冷静な判断ができるよう、定期的に塾主催のテストを受けて【子どものリアルな実力】【思考力や読解力のレベル】を把握していくことで、カラーテストの結果に胡坐をかかず、中学進学に向けた現実的な対策を考えるようになります。
小学校と中学の勉強の違いを見落としている
ところで、親はどうしても自分の子どもの学力に関して【今の結果=将来の結果】と結びつけてしまいがちですし、小学校で良ければ中学でもよいと思いたくなります。
しかし、実際には小学校と中学校の学習内容、授業スピードや評価方法は大きく異なります。
小学校では、カラーテストは授業内容に沿った基礎的な問題が中心ですし、問題数も少なく、復習もしやすい構成になっています。
そのため、真面目に授業を聞いていれば、宿題をちゃんとやっていれば高得点を取ることはさほど難しくありません。
一方、中学校になると教科の専門性が高まり、暗記だけでなく難化した勉強を理解した上での応用力、思考力が求められるようになります。
単なる暗記では太刀打ちできず、応用問題や記述式の問題も増え、論理的思考力や分析力、表現力が求められるようになります。
また、定期テストは範囲が広く、科目数も増えますし、提出物や授業態度など多角的に評価されます。
親も経験しているはずなのに、すっかり忘れているかのように、この違いに気づかないまま【小学校で高得点=中学でも通用する】と思い込んでしまう方は少なくありません。
学びの変化に気づかず、小学校での【カラーテストで満点だから賢い】という感覚のままでいると、子どもが中学で成績が伸び悩んだ時に【なぜできないのか】と戸惑ってしまうことになります。
つまり、親自身がカラーテストはあくまで理解度の一部であり、先を見据えた学力とは異なるという認識を持っていないと、子どもの学習に対する適切なサポートが難しくなります。
したがって、親は【点数だけで判断するのではなく、考える力や自学自習の習慣が身についているか】を意識して、家庭学習で使用する教材やレベルを考えていくことが求められます。
カラーテストの高得点は確かに良い結果ですが、それだけに安心せず、次のステップを見据えることが大切です。
どんなテストでも点数が良ければ親は安心しますし、【他の子よりもできる】と優越感を感じます。
ただし、小学校と中学校の学習には質的な違いがあるため、単純に結びつけることは危険です。
本当は顕在化している子どもの勉強面の問題点をスッポリ隠してしまうこともあります。
確実に中学以降でも伸びるためには、カラーテストの点数だけに目を向けるのではなく、間違えている問題や傾向、そして子どもの日々の学習姿勢と継続力を育てていくことが大切です。