今回は【10歳の壁を乗り越える 子どもを理解する親の心得】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
子どもがすくすく成長することを願わない親はいないと思います。
健康でありますように、という願いに【勉強で苦労しませんように】【勉強ができる子でありますように】という願いが加わるのは小学生に入ってからでしょうか。
小学校は6年間と長く、1年生から6年生になるまでに子どもは大きく成長します。
その中でターニングポイントとされるのが小学4年生です。
俗に10歳の壁、小4の壁と言われる学年で、子どもの反抗期に直面したり、勉強面で不安を感じたりと色々な問題が噴出する時期です。
親としては何事もなく、平穏無事に過ぎ去って欲しいのですが、10歳という年齢は複雑で今までの子どもと思って接することもできなくなります。
私も子ども①が小学4年生の頃、子ども②であれば小学5年生の時に反抗期と直面して子育ては色々あって難しいなと感じたこともありました。
子どもから脱却し、自我が芽生えて親に歯向かって対等でいたいという気持ちが強くなる一方で、親の方はまだまだ9歳、10歳の子どもに対して【自分でできないことが多い子ども】と思っていたりと、双方の思いが噛み合わず、それにより色々と問題が生じてしまうこともあります。
勉強ではクラス内での学力差が出始めるという親にとっては気になることが起きます。
テストの点数が下がっていく子も少なくありません。
中学受験を検討していて塾通いをスタートしたけれど、全然乗り気ではなくてこのまま塾に通わせ続けていいのかと悩む親もいます。
小学校低学年の頃まではあまり起きなかった親子の衝突が増えていくと、親もイライラ、不安、嘆きの感情を何度も経験して子育てに自信を持てなくなります。
【このままでいいのか】【どうすればいいのか】と考えない親はいないと思います。
私も色々と考えては一人で抱えてしまうこともあります。
新しい親子関係を構築し、10歳の壁を乗り越えるには、親が子どもが抱えている問題を感じ取り、一緒に解決に向けて一致団結をしていくことが大切です。
親から距離を取ろうとする子どもの気持ちを理解する
まず、親から距離を取ろうとする子どもの気持ちを理解しましょう。
親から見たら7歳の小学1年生の子どもも、学年が上がり10歳の小学4年生になった子どもも【子ども】です。
しかし、子どもの方は小学1年の頃の自分と小4になった自分は全く違うと思っています。
責任感を増していたり、学校の勉強も難しくなっているので【成長している】と自覚しているので、ことあるごとに親から子ども扱いされると【そんなに子どもではない】と反発心が大きくなっていくのは自然なことと言えるでしょう。
親もかつては子どもであり、親に対して色々と思うこと、親の言動でイラつくことが増えてきたのも小学校4年生以降からだと思います。
子どもの成長を受け止めないと、いつまで経っても心のすれ違いが続いてしまい、中学進学後は言葉を交わす回数も激減していくのは避けられません。
そうした中で中学の勉強や成績、高校受験で話をすべきことがあっても、お互いに素直に話すことができないまま受験に挑むというのは親にとっても子どもにとっても良いことではないです。
10歳という年齢は少し前なら成人までの折り返し地点です。
20歳になるまでの10年間で高校受験、高校卒業、進路進学や就職で親元を離れるという子育てがひと段落する極めて重要な10年になります。
ちょっとイラつくことが増えてきても【自分らしく生きていくためのサポートをする】と親が心を決めて、子どもの心の変化を受け止め、理解をして寄り添う姿勢を強めていきましょう。
勉強に苦戦する子どもをバカにしない
さて、小学4年生になるとパッと見て解けるような単元から抽象的な概念、思考力が求められる単元が増えていきます。
アールやヘクタールのような単位換算、四捨五入の概数など、ルールに基づいて問題を解くという論理的思考力が必要な学びを苦手とする子もいます。
こうした学びの質の変化からテストの点数が下がることもあります。
それなりに勉強していても特定の単元のテストが悪い子もいます。
そういう子に対して【ちゃんと勉強していないからだ】とか【素質がないから努力で何とかカバーしなさい】と、励ましではなくバカにするような言動を投げかけてしまう親もいるでしょう。
言われた子どもの方は【勉強難しくて嫌だな】【他の子より点数が低くて恥ずかしい】と悩んだりしています。
もちろん、かつての私のようにすでに勉強に対してやる気のない子は点数が低くなっても【まっ、仕方がないかな】とあっけらかんとしたりしていますが、宿題もやって家庭学習もしっかりやってきた子にとっては苦戦しているところに親からの厳しい言葉に傷つかないわけがありません。
勉強が難しいことに子どもは一人で悩み、どうしようかと途方に暮れているかもしれません。
点数が下がってきているのを見て、親は【勉強しなさい】【通信教材を始めましょう】【塾に入りましょう】と学力にダイレクトにアプローチする方法ばかりに目を向けてしまいがちですが、できていたのにガクンと成績が下がってきた子どもは気持ちがユラユラして、不安定になり、塞ぎがちになっています。
こういう時は、成績を上げさせる行動よりも子どもの気持ちに寄り添い、不安を取り除いていくことを重視してください。
子どもも親に歯向かったりと反抗的な言動が一層増えていきますが、まだ幼さが残りますし、一人で不安を解消するほど人生経験が豊富なわけではありません。
【お父さん、お母さんも小学4年生の頃は勉強で困ったことがあったな】と経験を踏まえて、挫折から立ち直った話、失敗談などをたくさん話してください。
親との会話の中で子どもなりに解決の糸口を見つけたり、前向きな気持ちが芽生えてきます。
子どもの本当の将来の夢を語り合う
10歳になると、あと10年で子どもは20歳になります。
人生の中で10歳から20歳というのは極めて重要な10年間です。
進路進学では高校受験が5年後に迫っていますが、小学校5年生頃には【どの辺りの高校を受けられそうか】という幅も見えてくるので、その時点でどのような職業に就けるのかというのも分かってきます。
例えば、全く勉強にやる気がない子が【医者になりたい】と言っても、地方でそのルートに最も近づけるトップ高校や公立中高一貫校合格を経て医学部医学科合格を実現できるかと言えば、正直厳しいです。
言葉は悪いですが、かなりの教育費をかけて、浪人も辞さない覚悟がない限り無理でしょう。
職種によっては進路進学が影響します。
ザクっと言うと、医学部や研究職のように学歴がダイレクトに反映する職種もあります。
10歳くらいになると学力差が出てくるので、子どもが夢見ている職業はちゃんと勉強しないといけない職種ということもあります。
中学生になり、学校の定期テストや塾のテストを見て、【このままだと自分の夢を叶えられそうな高校に進学できそうにない】と慌てても、努力をして受験勉強を頑張っても、入試当日までに合格する学力を身につけるとは限りません。
やはり、【ヤバイ】と気がついて、頑張って合格を目指していくにも時間が必要です。
私が塾で教えていた生徒の中で、倍率の高い進学校を目指す子がいました。
正直、その高校を受けたいといった時は内心厳しいと思っていましたが、【目指す】と宣言したのが中学2年の夏であったことと、その子自身が相当な努力をしたこともあり、見事合格を勝ち取りました。
夢に近づくためには努力が必要であると同時に、【間に合うのか】と考えることも大切です。
どうしても、逆算して考えるということは小学生はしないと思いますが、残された時間の重みを感じつつ子どもと未来について真剣に話し合ってください。