【教育小噺】学年が上がれば子どもが焦って勉強することを期待してはダメ | 元塾講師 透明教育ママ見参!!

【教育小噺】学年が上がれば子どもが焦って勉強することを期待してはダメ

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今回は【学年が上がれば子どもが焦って勉強することを期待してはダメ】と題し、お話をしていきます。

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子どもが成長すると学校の授業についていけるか、テストの点数が伸び悩んでいるといった勉強面の悩みが増えていきます。

子どもが幼児期、小学校低学年の頃は親の教育熱の高い低いで子どもの学習量が左右される傾向があります。

それが学力差としてバンと目立ち始めるのが小学校3年生頃です。

ただ、小学校3年生はまだまだ子どもですし、「がっつり勉強させなくても大丈夫」と考えている方もいます。

学校の勉強が本格的になるのは小学校高学年、中学校に入ってからと思い、「さすがに学年が上がれば自然と子ども【勉強やらないと】と自覚して勉強するようになる」と楽観視します。

不思議なもので、一部の小さい頃からずっと優秀だった親を除くと、大半の親も小学校高学年や中学校で勉強に関する悩み事を経験しているはずなのに、その中でも我が子が勝手に勉強するようになると信じている方がいます。

私の親もそういうタイプの人間でしたし、塾で中学生の保護者と面談をした際に【さすがに中学生になったら自分から勉強するようになると思っていました】と嘆く方はけっこういました。

そういう親の特徴として上げられるが、子どもが中学に入り、英語の授業が苦戦しているとか定期テストの結果が出て慌てて塾に駆け込んできて【中学生になれば焦って勉強するはずと思っていた】と楽観視しているケースが多かったです。

【成長すれば自分の事は自分でやるはず】という感覚で子育てをしていて、積極的に子どもに躾をすることや、勉強させることをしないと遅かれ早かれ【こんははずではなかった】と後悔することになります。

 

親が放置しても自発的に勉強する子は滅多にいません。

高学年になると算数を筆頭にどの教科もむずかしくなります。

授業内容を理解できない子、さらに家で勉強するのは学校の宿題のみという子は【分からない】と感じることが増えていきます。

学校のテストの点数も70点台が増えたりする子もいます。

そのタイミングで親の方が子どもが勉強する子になるよう、何かしらのアクションをしない限り自発的に勉強する子になれないまま中学に進学してしまいます。

けれど、小学校5年生になれば子どもも親に対して反抗的な言動が不適来るので親が誘導して家庭学習を定着させるというのは相当難しい、ハードな仕事になります。

ですから、【学年が上がれば勝手に勉強するようになる】と期待するのは危険な考えです。

 

就学前後に家庭学習を定着するよう誘導しないと、子どもにとっての【勉強する時間】は学校の授業と宿題のみになります。

親がノータッチという状態は親にとっても、子どもにとっても楽です。

これは私自身が経験していますが、親は毎日子どもの宿題をチェックしないですみますし、音読を聞くことも親子が衝突することもある間違い直しに取り組ませることもしないでいいです。

子どもの方は親から勉強に関してガミガミ叱られることもないので超楽です。

遊びに出かけても、家でダラダラ過ごしていても【勉強は?】とか【宿題はしたの?】と言われないので好きなように過ごすことができます。

私はこうして小学校6年間は完全無欠のグータラ小学生として過ごしました。

親の方は、中学生になり定期テストが始まれば自分で勉強すると思っていたようですが、そんな簡単に変わることはできません。

 

6年間という長い間、勉強もせずに楽しく過ごしていたという、まさにアリとキリギリスのキリギリスの子が中学に入り、校内順位が分かる、自分の学力がハッキリ分かるという厳しい世界、お話の世界でいうところの【秋が深まり冬に突入する】と気がついても、キリギリスはどうすることもできません。

小学生時代に楽なことを覚えてしまうと、ちょっとした努力も辛く感じて勉強も三日坊主で終了してしまいます。

それを繰り返していると【自分は何をやってもダメな子】と自己肯定感が低くなり、ますます勉強から遠ざかる気持ちが強くなってしまいます。

 

一応キリギリスの子も、全く焦りを覚えないわけではないです。

ただ、学校の授業で分からないと感じることがあっても、クラスメイトの目を気にして先生に【分からない】と言えず、誤魔化してたり親に伝えられない子もいます。

さすがに理解できないことが増えていくと親に話をしてもまともに受け止めてもらえないこともあります。

また、これまで親が教育に無関心だったり放置気味だと【言っても仕方がない】【真剣に考えてくれない】と子どもの方も考えるようになります。

 

「中学生になれば」と考えるのは甘い

そして、これは私がそうだったように勉強をしない子は楽観視する悪い癖があり、【なんとかなる】という精神論で乗り越えられると信じていることが多々あります。

永遠に子ども時代が続き、小学生という【今】が続くと勘違いしています。

そのため、勉強を今頑張らなくても何とかなる時間がこれからも続くと思い、真剣に勉強することを先延ばしします。

つまり、未来の自分、小学校を卒業して中学に入ってからの自分や、中学3年生になり高校受験をする自分をうまく想像することができません。

 

ということは、小学4年生から5年生、5年生から6年生、小学校を卒業して中学生になっても人生を変えるような大事件が起きない限り、心を入れ替えて勉強する子にはならないです。

親からすると10歳の我が子は、時折憎たらしい言葉を返すようになってきたとしても、まだまだ子どもで、【そのうち改心してくれる】と思ってしまいますが、10歳くらいになると子どもの性格、勉強への意識がかなり固定しています。

中学生となり受験生となる14歳から15歳になると【半分以上大人】みたいになっているので親の説教が心に響く子はかなりの少数派になります。

ただでさえ今の子ども達の周りにはスマホやタブレットと勉強する意欲を削いでしまうアイテムが身近に存在しているため、親が子どもだった頃以上に家庭学習の習慣を身につけていない子の勉強する気持ちを育てることや、学習量を増やすことの攻略がかなり難易度アップしていると考えていいでしょう。

 

勉強する子になって欲しいなら低学年が勝負

こうした状況を踏まえると、就学前後や低学年の頃にいかに家庭学習の定着を成功させられるかどうかは子育てにおいて、そして子どもの進路進学を考える上でとても大切なポイントになります。

私は自分自身を反面教師にして子育てをしていますが、小学生時代の自分と3人の子どもを比較すると【親のサポートの重要性】と【家庭学習の定着】がないと子どもが学校の授業を理解していくのも難しくなるのを痛感しています。

分からないことが増えれば授業を聞いていても楽しくありません。

そして挽回するには相当な努力をしないと皆に追いつけないと理解した時の絶望感、勉強に対して【辛い】と感じ、結局楽な方に逃げてしまう自分との戦いを子どもがしていくことになります。

就学前、または小学校入学から親が家庭学習の習慣を定着させるというのは正直面倒ですが、その面倒さを真正面から受け止めないと、子どもが困ることになります。

そして、親の方も子どもの進路進学で生じる様々な悩み事やトラブルに巻き込まれることになるのも忘れないでください。

 

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