通塾経験のある親御さんも多くなっていますが、塾の先生の新年度はどのようにスタートするのかあまり知られていないのでは、と。
今回は、地方都市のゆったりした環境に立地する塾の新年度を話していくことにします。
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新年度スタート
さて、私が働いていた時の話をします。
舞台は某県の県庁所在地の郊外にある新興住宅街と古い地元民が混在する町でした。
大都市圏ではないので、ピリピリムードとは無縁の空気が漂う校舎で。
入試の結果も出て、春講も終了するとまた慌ただしく新年度は始まります。
そして、1年を通して新しく加わる生徒が多いのも新学期です。
夏も多いのは多いのですけどね。
新しく入塾した生徒がどんな子か分かりません。
1. どの科目が苦手意識があるのか
2.中学校での順位はどうなのか、
2.小学生だったら公立中高一貫校などに受験する予定はあるのか
春の講習会と新学期スタートの合間に会議が行われます。
校の責任者が保護者とカウンセリングをし、本人に確認テストを受けてもらいます。
どういった単元に苦手意識があるのか、家庭での要望をここで聞いておかないと、後々トラブルのもとになります。
ですから、責任者は精神をすり減らして対応します。
ここで一番難しいのが、入塾希望の生徒が通っている学校のレベルが低い時です。
その学校内での順位がトップクラス
↓
高校選びたい放題の成績・身分、と勘違いしているケース
通っている学区はレベルが低い、とはストレートに言えないものですからね・・・。
学区のレベルの話は、ネットが発達した今はいくらでもゲットできますので、上記のような保護者の数も減っているとは思いますけどね。
また、生徒(お客さん)なら全員OK、というわけではありません。
確認テストの結果次第では、入塾を断ることもあります。責任者が判断するのですが、入塾以前の問題の生徒もごくまれにいます。
勉強を放置して、慌てて中学3年になって駆け込んできても対応不可(お金の無駄になるので、相手を思っての対応です)と。勤務中に3名ほどあった記憶があります。
担当者の打ち合わせ
担当する子はどうなのか、成績よりも性格の把握に最初は努め、理系・文系の先生同士で連携もします。
先生によって態度を変える子も時々います。
4,5年在籍している先生であれば、テストの結果で進学する中学校でどのレベルに位置するのか予測が出来ます。
最初は緊張、そりゃ当たり前
塾初めての生徒にとっては完全に未知の世界です。
カチコチになって席に滑り込んできます。
私は中学生以上では英語が主戦場でしたので、1年生でしたらたいてい最初も最初のアルファベットについて説明します。
今でこそ小学校で英語の授業が組み込まれたり、小さい頃から英会話スクールに通う子も増えています。
しかし、私が現役時代の地方の郊外の住宅街では、英語に慣れ親しんでいる生徒はなかなかお目にかかりませんでした。
大半の子が、昭和60~平成初頭に義務教育を受けた私と同じく、中学校で英語デビューをしていました。
そして、私が英語では大文字より小文字を使うことが多い、と説明するとほぼ100%驚きました・笑。
小学生で英語を習う子が急増している今では信じられない話ですけどね。
2,3回通うと打ち解けてきますが、中には相性の悪い生徒もいます。
保護者を通じて連絡があると、校の責任者がチェンジしてくれます。
宿題をやってこない生徒も一定数いる
少し慣れてくると、部活が忙しいと言い訳して全く宿題をしてこない生徒がチラホラ出てきます。
こういう子は小学校からの学習習慣がゼロです。
あ~、お金をどぶに捨てているものだよな~、と毎回ため息をつきたい気分になりました。
が、子供は親の心なんてお構いなしです・・・。
最重要ポイントは責任者
小学1年生が中学生に進学するまでの期間、塾で仕事をしていて気が付いた重要なコト。
それは校の責任者の力量で校運営が左右される、ということです。
現在、塾選びはネットで検索する保護者の方も多いと思いますが、塾の評判が良くても、近所の校舎はどうかを井戸端会議などでリサーチするべきだと思います。
大手塾や地元塾が運営する校舎限定の話になりますが、腕のある責任者はそのうち転勤や移動をする可能性が高いです。
そのため、面倒見の良い責任者は新年度も残るのかどうかをチェックしましょう。
個別系の塾だと先生は講師、大学生がメインになりがちです。
先生とのコミュニケーションと生徒や保護者との対応もスムーズに出来る責任者は稀有な存在とです。
近所の個別塾に通わせるときは、生徒と先生の間を取り持つ責任者の腕次第で変わりますので、お忘れなく。