今回は【中学で失速する子・伸びる子の決定的な違いは【小4〜小6】の過ごし方にあった】と題し、お話していきます。
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【小学校では成績が良かったのに、中学に入った途端に伸び悩んだ】。
こうした現象は決して珍しくありません。
その背景にあるのが、いわゆる【10歳の壁】です。
小4前後から、学習内容は具体的な計算や暗記中心の世界から、抽象的思考や論理的理解を求める世界へと移行します。
ここで求められる力の質が変わるにもかかわらず、学び方がアップデートされないまま進学すると、中学で一気に負荷がかかります。
小4〜小6は、単なる知識の蓄積期ではありません。
思考の型を作り、自分で学びを管理し、失敗を成長材料に変える力を育てる準備期間です。
この時期に【正解を出す子】で終わるのか、【学び方を身につけた子】になるのかで、その後の伸びは大きく分かれます。
中学で伸びる子と失速する子の差は、入学後に突然生まれるものではありません。
すでに小学校高学年の過ごし方に、その芽は表れているのです。
そこで今回は、中学で伸びる子と失速する子を分ける小学校高学年の過ごし方を三つの視点から整理します。
答えを出す力より【プロセス】を構築する力
まず、小学校高学年になると、テストの点数や偏差値が気になり始めます。
しかし、本当に注目すべきなのは【何点取れたか】ではありません。
どのように考え、どのような手順で答えにたどり着いたのか。
そのプロセスです。
中学で伸び続ける子は、早い段階から答えを出す力よりも考え方を組み立てる力を鍛えています。
ご存じの通り、小4〜小6は、学習内容が具体から抽象へと移行する時期です。
計算の速さや暗記量だけでは通用しなくなり、理由を説明する力や文章を構造的に読む力が求められます。この変化に対応できるかどうかが、中学以降の伸びを左右します。
高学年で育てるべきは、知識の量ではなく【思考の型】。
ここでは、将来の土台となる三つの力について整理していきます。
①【算数】を【数学的思考】に接続する
小学校の算数は、多くの場合【正しく速く解く】ことが評価の中心になります。
しかし中学以降に求められるのは、計算力そのものよりも【なぜそうなるのか】を説明できる力です。
つまり、算数を作業で終わらせず、思考へと接続できているかどうかが分かれ道になります。
とえば、答えが合っていたとしても、【どう考えたの?】【別の解き方はある?】と問いかけることで、子どもは自分の思考プロセスを言語化するようになります。
途中式を丁寧に書く、図や表を使って整理する、条件を一つずつ確認する。
こうした習慣が、数学的思考の土台をつくります。
また、間違えた問題こそ宝です。
【どこで考え違いをしたのか】【なぜその発想になったのか】を振り返ることで、思考のクセが見えてきます。
算数を単なる正誤ゲームにせず、思考を鍛える道具にできた子は、中学数学の抽象世界にも自然に入っていけるのです。
②全教科の土台となる【語彙】と【要約力】
中学で伸び続ける子に共通するのは、教科を越えて通用する言葉の力を持っていることです。
語彙力は単なる知っている単語の数ではありません。
言葉の意味を正確に理解し、文脈の中で使い分けられる力です。
語彙が豊かであればあるほど、思考は精密になります。逆に、言葉が曖昧なままでは、理解も表現もぼやけてしまいます。
さらに重要なのが要約力です。
文章を読んで【つまり何が言いたいのか】を抜き出し、自分の言葉で再構成する力。
これは国語だけでなく、理科の実験説明、社会の資料読解、英語の長文理解にも直結します。
情報を整理し、構造をつかむ力がある子は、学習効率が格段に高まります。
小4〜小6は、この基礎を鍛える絶好の時期です。
本を読み、意味を確かめ、要点をまとめる習慣を持てるかどうか。
言葉を磨くことは、すべての教科を伸ばす最短ルートなのです。
③自分の【間違い】を分析するメタ認知能力
中学で伸びる子と失速する子を分ける大きな要素の一つが、【メタ認知能力】です。
これは、自分の思考や理解の状態を一段上から客観視する力を指します。
単に【正解した・間違えた】で終わらせるのではなく、【なぜその答えを選んだのか】【どの段階で勘違いしたのか】を振り返る姿勢があるかどうかが重要です。
小学校高学年でこの習慣が身についている子は、テストを結果確認の場ではなく改善の材料として使えます。
たとえば、計算ミスなのか、問題文の読み違いなのか、概念理解の不足なのかを分類する。
それだけで次に何を補強すべきかが明確になります。
逆に、間違いを【うっかり】で片づけ続けると、同じ失敗を繰り返します。
失敗を恐れるのではなく、分析する対象にできるかどうか。
高学年のうちにメタ認知を育てた子は、中学の難度上昇にも柔軟に対応できるのです。
【管理される子】から【自走する子】へ
さて、小学校高学年は、学力そのもの以上に【学習の主導権】を誰が握っているかが問われる時期です。
親が細かく管理し、声をかけ、スケジュールを決めているうちは、表面的には安定して見えるかもしれません。
しかしその状態のまま中学へ進むと、急に求められる自己管理に対応できず、失速するケースが少なくありません。
中学では課題も増え、自由度も高まり、評価も厳しくなります。
そこで必要なのは、【言われたからやる】から【必要だからやる】への転換です。
つまり、管理される子から自走する子への移行です。
小4〜小6は、この移行を段階的に進める絶好のタイミングです。
仕組みを整え、親の関わり方を調整し、時間の使い方を考えさせる。
ここでは、自走力を育てるための三つの具体的な視点を整理します。
①やる気に頼らない【学習の仕組み化】
自走する子に共通しているのは、【やる気があるから勉強する】のではなく、【やるのが当たり前の状態】を持っていることです。
気分は日によって変わります。疲れている日もあれば、遊びたい日もある。
そのたびにやる気を待っていては、学習は安定しません。
だからこそ、小学校高学年のうちに仕組みを作ることが重要です。
例えば、勉強する時間と場所を固定する。
学校から帰ったら30分は机に向かい、夕食後は10分だけ復習する。
量よりも【必ず始める】ことを優先します。
さらに、教材をあらかじめ机に用意しておくなど、始めるまでの摩擦を減らす工夫も有効です。
仕組みの目的は、子どもを縛ることではありません。
意志力を無駄遣いさせないための工夫です。
やる気に頼らない環境を整えられた子は、中学で忙しくなっても学習を止めません。
それが、自走への第一歩なのです。
②親の【手出し】を段階的に減らすマネジメント
小学校高学年は、親の関わり方を意識的に変えていく時期です。
低学年の頃のように、横について丸つけをし、次にやることを指示し続けていては、自走力は育ちません。
しかし、いきなり【もう自分でやりなさい】と突き放しても、子どもは戸惑います。
大切なのは、段階的に手出しを減らすことです。
最初は【一緒に計画を立てる】。
次に【計画は子どもが立て、親は確認する】。
やがて【結果だけを報告する】へと移行する。
このプロセスを踏むことで、責任の所在が少しずつ親から子へ移っていきます。
ポイントは、失敗を過度に恐れないことです。
計画通りにいかない経験も、貴重な学習材料です。
親がすぐに修正してしまえば、試行錯誤の機会を奪ってしまう。
支えるけれど、奪わない。
この距離感を保てたとき、子どもは【自分で回せる】という感覚を持ち始めます。
③時間の【優先順位】を自分で判断する訓練
自走する子に育つかどうかは、【時間の使い方】を誰が決めているかで分かれます。
小学校高学年になると、宿題、習い事、遊び、読書など、やるべきこと・やりたいことが一気に増えます。このとき常に親が順番を決めていると、子どもは判断力を鍛える機会を失います。
大切なのは、【どれを先にやる?】【今日は何を優先する?】と問いかけ、自分で選ばせることです。
もちろん最初は的確に判断できないこともあります。
しかし、時間が足りなくなる経験や、後回しにして困る経験こそが、優先順位感覚を育てます。
中学に入ると、定期テストや部活動、行事が重なり、時間管理は一層難しくなります。
そのとき必要なのは、誰かに指示される力ではなく、自分で判断する力です。
小4〜小6は、その基礎を安全に練習できる最後の時期。
時間を任せることは、責任を育てることでもあるのです。
知的好奇心を【学問への敬意】に変える
ところで、小学校高学年で培うべき最後の力は、単なる知識や計算力ではなく、学びに対する姿勢やマインドセットです。
どれだけ効率的に学習できても、好奇心が持続せず、失敗を恐れる姿勢が身についてしまえば、学力の伸びは止まります。
逆に、知的好奇心を学問への敬意に変え、自ら考え挑戦できる子は、中学以降も安定して成長し続けます。
ここでは、子どもの好奇心や探究心を、受け身の興味から学問的理解へとつなげる方法を整理します。
具体的には、教科書の枠を超えて学んだことを関連付ける力、失敗を成長の糧とする姿勢、そしてデジタルデバイスを適切に活用し、自律的に学びを広げる力の三つです。
これらは単なる勉強法ではなく、学び続ける姿勢の土台となります。
ここから、小4〜小6の時期に身につけるべきマインドセットと、それを育む具体的なアプローチについて整理していきます。
①【教科書の外】と知識をリンクさせる
中学で伸びる子は、教科書や授業だけに閉じず、学んだ知識を身の回りや興味と結びつける力を持っています。
小学校高学年のうちに、この習慣を身につけることが重要です。
たとえば社会の歴史で習った内容を、ニュースや博物館、日常の出来事と関連付ける。
理科の植物や天体の話を、家の庭や観察日記とつなげる。
こうしたリンクを作ることで、知識は単なる暗記ではなく、自分の理解の一部として定着します。
ポイントは、学びを点ではなく線や面として捉えることです。
興味のある話題と教科書の内容を結びつけることで、学習の動機も自然と生まれます。
【なぜこうなるのか】【どういう仕組みなのか】と自ら問いかける姿勢は、受け身の勉強を能動的な学びに変えるのです。
また、リンクは失敗や疑問を受け止める余白も作ります。
分からないことに出会ったとき、単なる暗記では処理できない問題も、自分なりに関連づけて考える力が身についていれば、自然と調べたり試したりする行動につながります。
教科書の外と結びつける学習は、好奇心を学問への敬意へと変える第一歩なのです。
②失敗を恐れない成長志向
中学で自走して伸びる子に共通するのは、失敗を恐れず挑戦できる姿勢です。
小学校高学年のうちに、この【成長志向】を育てることが非常に重要です。
失敗を単なる挫折として扱うのではなく、【まだ途中】【改善の余地がある】と捉えられるかどうかが、学力の伸びに直結します。
具体的には、間違えた問題や思うようにできなかった課題を振り返り、原因を分析する習慣をつけます。【なぜ間違えたのか】【どの段階で考え違いが起きたのか】【次にどうすれば改善できるのか】を自分で整理できる子は、失敗を学びに変えることができます。
このプロセスを繰り返すことで、挑戦への心理的ハードルはどんどん下がり、自然と難しい問題にも取り組めるようになります。
さらに、成功体験だけでなく小さな失敗も認め、学びの一部として扱う環境作りも大切です。
親や教師が【間違えてもいいよ】と励ますだけでなく、振り返りの方法を具体的に示すことで、子どもは自己効力感を保ちながら挑戦を続けられます。
失敗を恐れない成長志向は、学びを長期的に持続させる土台となるのです。
③デジタルデバイスとの自律的な付き合い方
現代の子どもたちにとって、スマートフォンやタブレットなどデジタルデバイスは学びにも遊びにも欠かせない存在です。
しかし、小学校高学年の段階で自律的に使う力が身についていないと、学習時間の喪失や注意散漫につながりやすく、中学での成長を妨げる要因になります。
重要なのは、デバイスを単なる消費物ではなく、学びを補助するツールとして使いこなす意識を育てることです。
具体的には、調べ学習や資料作成、タイマーを使った時間管理など、学習目的での活用を習慣化させます。
同時に、SNSやゲームなど誘惑的な使い方との境界線を自分で設定させることが必要です。
【まず調べ学習を終えてから遊ぶ】といった自己ルールを作り、守る経験を積ませることで、自己管理力と計画性も同時に育ちます。
この自律的な付き合い方を身につけた子は、情報を効率よく取り入れ、学習の幅を広げることができます。
逆に、指示されないと使い方をコントロールできない子は、学習時間をスマートホンやタブレットなどのデバイス使用に奪われやすく、好奇心や挑戦心も断続的になります。
デジタルツールの扱い方を訓練することは、現代の学びにおける重要なマインドセットの一部であり、学習を自律的に続ける力の土台となります。
小学校高学年は一生モノの【学び方】を習得する時期
中学で伸びるか失速するかは、小学校高学年の過ごし方で大きく決まります。
この時期に身につけるべきは、単なる知識や計算力ではなく、【学び方そのもの】です。
答えを出す力よりも、考え方の型や思考プロセスを構築する力。
親に管理されるのではなく、自分で学習を計画・実行できる自走力。
知的好奇心を学問への敬意へ変え、失敗を学びに変える姿勢。
これらはすべて、中学以降も学力を伸ばし続けるための土台となります。
小4〜小6は、この土台を安全に試し、強化する絶好の時期です。
語彙や要約力で思考の精度を上げ、算数の理解を数学的思考へつなぎ、間違いを振り返る習慣で自己分析力を育てる。
さらに、学習の仕組み化や時間管理、親の関わり方の調整を通じて、自律的に学ぶ姿勢を培うことができます。
この時期に身につけた【学び方】は一生モノです。
小学校高学年で土台を築いた子は、中学に進んでも失速せず、むしろ加速して成長します。
逆に、習慣や思考の型を定着させられなかった子は、中学で初めて壁に直面したときに大きく差が開きます。
だからこそ、この時期は単なる勉強以上に、【どう学ぶか】を意識して過ごすことが極めて重要なのです。

















