今回は【学校では神童、塾では凡人 そのギャップを埋めるための3つの処方箋】と題し、お話をしていきます。
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学校でいつもトップの成績を取る生徒、いわゆる【神童】は、テストでは100点満点を連発します。
しかし、そのまま塾のハイレベルな模試や演習に挑むと、驚くほど点数が伸びないことがあります。
親も本人も戸惑い、【学校ではできるのに、どうして塾では凡人のようになるのか】と悩む瞬間です。
このギャップの原因は、単に能力の問題ではありません。
むしろ【100点の価値】をどう定義するかに関係しています。
学校のテストは暗記や確認型の理解で十分に高得点を取れる設計が多く、短期記憶でも満点が可能です。
しかし塾では、応用力や思考力、問題解決力を問われる場面が増え、今までの学習習慣だけでは太刀打ちできません。
つまり【100点=すべて理解している】ではなく、【ある範囲を正確にこなせる】こととイコールで考えていた従来の価値観が、塾で通用しないのです。
そこで今回は、学校では神童、塾では凡人というギャップを埋めるために、まず現象の分析から始め、次に具体的な処方箋、最後に親や生徒のマインドセットまで整理します。
ポイントは、点数そのものではなく、【学力の本質】と【学習体質】を育てる視点です。
ギャップを単なる失敗として捉えるのではなく、成長のチャンスとして再定義することで子どもも親も安心して学習に取り組めます。
なぜ【学校の優等生】は塾で苦戦するのか?
まず、学校では常に高得点を取り、【できる子】【優等生】と評価されてきたにもかかわらず、塾に通い始めた途端に成績が伸び悩む。この現象は決して珍しいものではありません。
むしろ、真面目で努力家な生徒ほど、この壁に直面しやすい傾向があります。
本人はこれまでと同じように勉強しているつもりなのに、周囲との差を突きつけられ、自信を失ってしまうのです。
しかし、このギャップを【才能が足りない】【地頭が違う】と片づけてしまうのは早計です。
問題の本質は、能力そのものではなく、これまで置かれてきた学習環境と評価基準の違いにあります。
学校のテストと塾の演習では、求められる力の種類が大きく異なります。
学校で評価されてきた学び方が、そのまま塾で通用しないケースが多いです。
とくに影響が大きいのは、学習の目的意識、問題への向き合い方、そして周囲のレベルです。
これらが一気に変化することで、【できていたはずの自分】が揺らぎ、戸惑いや焦りが生まれます。
ここでは、なぜ学校の優等生ほど塾で苦戦しやすいのか、その構造を冷静に分析します。
原因を正しく理解することが、次の一歩を踏み出すための土台になります。
①『確認型』学習の限界と短期記憶の罠
学校で高得点を取り続けてきた生徒の多くは、【確認型】の学習に慣れています。
授業で習った内容を覚え、同じ形式の問題を解き、正解できるかを確認する。
この学習法は、学校の定期テストでは非常に有効です。
出題範囲も形式もある程度予測できるため、短期記憶を中心とした勉強でも十分に100点が狙えます。
しかし、この成功体験が塾では通用しません。
塾の問題は、知識をそのまま再現するだけでは解けないように設計されています。
複数の単元を組み合わせたり、見慣れない設定で問い直されたりするため、【覚えているかどうか】ではなく、【理解して使えるかどうか】が問われます。
確認型学習に慣れた生徒ほど、ここで壁にぶつかります。
さらに厄介なのが、短期記憶の罠です。
テスト直前に覚えた内容で高得点を取れてしまうと、【理解できている】と錯覚しやすくなります。
しかし、時間が経つと知識は抜け落ち、応用問題では思い出せません。
塾で点数が伸びない原因は、この【覚えたつもり】の積み重ねにあることが少なくないのです。
塾で苦戦する学校の優等生は、決して基礎が弱いわけではありません。
むしろ、確認型学習で成果が出すぎたがゆえに、【考える学習】への切り替えが遅れているだけです。
この事実を理解することが、次の成長段階へ進むための重要な出発点になります。
②『正解への最短距離』を求めすぎる完璧主義
学校で高成績を取り続けてきた生徒ほど、【正しく、速く解くこと】に強い価値を置いています。
授業で教わった手順どおりに解き、無駄なく正解にたどり着く。
この姿勢は学校のテストでは大きな武器になりますが、塾の高度な問題に直面したとき、思わぬ弱点として表れます。
塾の問題は、必ずしも一直線に正解へ向かう道筋が見えるわけではありません。
途中で仮説を立てたり、条件を整理し直したり、遠回りに見える思考を経て解決に至ることが多くあります。
しかし完璧主義の生徒は、【無駄なことをしてはいけない】【最短ルートで解かなければならない】という思い込みから、試行錯誤を避けがちです。
その結果、少しでも手が止まると不安になり、考えること自体を諦めてしまうことがあります。
また、完璧主義は失敗への耐性を弱めます。
途中式で迷ったり、誤った仮定を置いたりすることを【間違い】と捉え、思考を止めてしまうのです。
本来、塾の学習ではこうした試行錯誤こそが理解を深める重要なプロセスですが、学校での成功体験がそれを許さなくしています。
塾で苦戦するのは、能力不足ではなく、思考の幅を自ら狭めてしまっているからです。
正解への最短距離を一度手放し、遠回りを恐れずに考える姿勢を身につけることが、次の成長につながります。
③母集団のレベル差による『自信の喪失』
学校で常に上位にいた生徒が塾に通い始めた途端、【普通】あるいは【下位】に位置づけられる。
この環境の変化は、学力以上にメンタル面へ大きな影響を与えます。
これまで周囲から【できる子】と評価されてきた生徒ほど、その落差に強い戸惑いを感じやすいです。
学校では、クラス内での相対評価が成績の基準になります。
しかし塾、とくに難関校対策を行う集団では、母集団そのものが大きく変わります。各学校でトップだった生徒たちが集まるため、今までの立ち位置はほとんど意味を持ちません。
それにもかかわらず、多くの生徒は無意識のうちに【これまでの順位】を基準に自分を評価してしまいます。
結果として、【自分は思ったほどできない】【周りの方が頭がいい】という感覚が強まり、自信を失っていきます。
この自信の揺らぎは、思考力や集中力にも影響を与え、本来解けるはずの問題にも手が出なくなる原因になります。
学力そのものが急に下がったわけではなく、評価軸が変わったことに心が追いついていない状態です。
重要なのは、塾での順位や偏差値を【能力の証明】と短絡的に結びつけないことです。
母集団が変われば、見える景色も変わります。
この事実を理解し、自信の喪失を一時的な通過点と捉えられるかどうかが、塾での成長を左右する大きな分岐点になります。
塾の壁を突破する【3つの処方箋】
さて、さきほどお話したように、学校で成功してきた学習スタイルは、塾では必ずしも武器になりません。
しかし、それは【やり直しがきかない】という意味ではありません。
むしろ、土台がしっかりしているからこそ、正しい方向に修正できれば、伸びしろは非常に大きいと言えます。
必要なのは、努力量を増やすことではなく、努力の使い方を変えることです。
塾で結果を出している生徒たちは、特別な才能を持っているわけではありません。
彼ら彼女たちは、つまずいた理由を冷静に分析し、これまでの勉強法を柔軟に更新しています。
つまり、塾での学習は【知識を増やす場】ではなく、【考え方を鍛える場】へと位置づけ直されているのです。
ここで重要になるのが、【失敗の扱い方】と【思考への耐性】です。
学校のテストでは失点を避けることが重視されますが、塾では失敗を通じて考え方を深めることが求められます。
この価値観の転換ができない限り、どれだけ問題数をこなしても、成績は頭打ちになります。
ここでは、学校型の学習から脱却し、塾の壁を突破するための具体的な3つの処方箋を紹介します。
どれも即効性のあるテクニックではありませんが、実践を重ねることで確実に思考力を変えていく方法です。
ギャップを埋める鍵は、ここにあります。
処方箋①ミスの解剖による【メタ認知】の育成
塾の壁を突破するために、まず最初に取り組むべき処方箋が【ミスの解剖】です。
学校型の学習では、間違いはできるだけ減らすもの、あるいは避けるものとして扱われがちです。
しかし塾で求められるのは、ミスを恐れないことではなく、ミスを正確に分析できる力です。
この力こそが、メタ認知、つまり【自分の思考を客観的に見る力】です。
大半の子は、間違えた問題を【分からなかった】【ケアレスミスだった】で済ませてしまいます。
しかしトップ層は一歩踏み込みます。知識不足だったのか、問題文の読み違いか、条件整理の段階でつまずいたのか。
どの瞬間に思考が止まったのかを言葉にして振り返ります。
この作業によって、自分の弱点が曖昧な不安ではなく、具体的な課題として見えるようになります。
重要なのは、正解を理解することよりも、【なぜ自分はその選択をしたのか】を振り返ることです。
たとえ間違っていても、その思考過程を分析できれば、次に同じ場面に出会ったときの修正が可能になります。
これが、短期記憶に頼らない本当の学力につながります。
ミスの解剖を習慣化すると、問題演習そのものの質が変わります。
解く前から【どこで間違えやすいか】を意識できるようになり、思考が一段と深くなります。
塾で伸びる子は、正解数ではなく、ミスから得た情報量で成長していきます。
この視点を持てた瞬間から、学習は確実に変わり始めます。
処方箋②【図解】による抽象概念の見える化
塾の問題で苦戦する生徒の多くは、【説明を読めば分かる】【解説を見れば納得できる】状態にとどまっています。
しかしそれは、本当の意味で理解できているとは言えません。
塾で求められるのは、頭の中にある曖昧な理解を、自分で再構築できる力です。
そのために有効なのが、【図解】による抽象概念の見える化です。
学校の学習では、文章や公式をそのまま覚えるだけでも点数が取れます。
一方、塾では条件が複雑に絡み合い、情報同士の関係性を把握できなければ解けない問題が増えます。
ここで文章だけに頼ると、思考が混乱しやすくなります。
図や表、線分図、フローチャートなどを使って情報を整理することで、問題の構造が一気に明確になります。
ここで重要なのは、きれいな図を描くことではありません。
多少雑でも構わないので、【何と何がどうつながっているのか】を自分の手で表現することです。
この作業を通して、理解が受け身から能動的なものへと変わります。
解説を読んで分かったつもりになるのではなく、自分で再現できる理解へと昇華されます。
図解を習慣にすると、初見の問題への耐性も高まります。
条件整理に時間がかかっても焦らず対応でき、思考の土台が安定します。
抽象的な内容を見える形に落とし込む力こそが、塾の問題を突破するための確かな武器になります。
処方箋③【1問20分】を許容する思考体力の強化
塾の問題に取り組むとき、多くの子が無意識に【早く解かなければならない】と焦っています。
学校のテストでは、限られた時間内に多くの問題を処理することが求められるため、この感覚が身についているのは自然なことです。
しかし塾の学習段階では、この【速さ重視】の意識が成長を妨げる原因になります。
塾で扱われる問題の多くは、すぐに解法が思い浮かばないように設計されています。
条件を整理し、試行錯誤しながら仮説を立て、修正し、ようやく答えにたどり着く。
その過程そのものが、思考力を鍛えるトレーニングです。
にもかかわらず、5分や10分で答えが出ないと【自分はできない】と判断してしまうと、本来得られるはずの成長機会を自ら手放すことになります。
そこで必要なのが、【1問20分】を許容する姿勢です。
これはだらだら考えるという意味ではなく、集中した状態で粘り強く思考を続ける力、いわば思考体力を鍛えるということです。
最初は疲れますし、答えにたどり着けないこともあります。
しかし、この負荷こそが、応用問題や入試本番での粘り強さにつながります。
思考体力が身につくと、難問に出会っても動揺しにくくなります。
【時間をかけて考えていい】という安心感が、冷静な判断を可能にするからです。
塾で伸びる生徒は、速さではなく深さを積み重ねています。
【1問20分】を許容できるようになったとき、学力は確実に次の段階へ進みます。
親の【評価軸】が子どもの伸びしろを決める
ところで、塾での学習が本格化するにつれ、子どもの成績や表情に変化が現れます。
これまで自信満々だった子が不安そうになったり、点数に一喜一憂したりする姿を見て、親が戸惑うことも少なくありません。
しかし、この時期に最も大きな影響を与えるのは、教材や指導法以上に、家庭での【評価のされ方】です。
学校では、点数や順位が分かりやすい評価基準になります。
一方、塾では偏差値やクラス分けといった、より相対的で厳しい指標が前面に出てきます。
この評価軸の変化に、子どもは想像以上に敏感です。
親の言葉や態度が、そのまま子どもの自己評価になっていくからです。
もし家庭でも学校と同じ基準で結果だけを見てしまうと、塾での学習はプレッシャーの場になります。
本来は挑戦と失敗を繰り返しながら力を伸ばす段階なのに、【できない自分】を責める時間が増えてしまうのです。
逆に、親が評価軸を意識的に切り替えれば、塾は子どもにとって安心して挑戦できる場所になります。
ここでは、子どもの伸びしろを広げるために、親が持つべき評価の視点について掘り下げます。
成績表には載らない成長をどう認め、どう支えるか。
その姿勢こそが、塾での学びを実りあるものに変えていきます。
①偏差値55を『県内トップレベル』と肯定する
塾に通い始めると、最初に突きつけられるのが【偏差値】という数字です。
学校では常に上位だった子どもが、塾の模試で偏差値55前後を取ったとき、多くの家庭が戸惑います。【思ったより低い】【もっと取れるはず】と感じてしまうのは自然な反応です。
しかし、この受け止め方こそが、子どもの伸びしろを左右します。
偏差値55は、決して【平凡】な数値ではありません。
母集団が広がり、学力上位層が集まる塾においては、県内で見れば十分にトップレベルに位置します。
それにもかかわらず、学校時代の感覚で【90点・100点】を基準にしてしまうと、子どもは自分の立ち位置を過小評価しやすくなります。
親がすべきなのは、数字を甘く評価することではなく、正しい尺度で評価し直すことです。
【この集団で55を取れているのはすごい】【ちゃんと通用している】というメッセージを伝えることで、子どもは安心して次の課題に向き合えます。
自信を失った状態では、思考力も挑戦意欲も伸びません。
塾での学習は、これからさらに難度が上がります。
だからこそ、今の位置を正しく肯定することが重要です。
偏差値55を【まだ足りない数字】ではなく、【ここから伸ばせる現実的なスタート地点】と捉えられるかどうか。
その視点の違いが、子どもが塾で踏ん張れるかどうかを決定づけます。
②【速さ】よりも【深さ】を称賛する基準
塾で成績が伸び悩む子ほど、【解くのが遅い】【時間内に終わらない】といった点を気にしがちです。
そして多くの場合、その焦りは親の評価軸から生まれます。
結果やスピードを褒められてきた子ほど、【早く正解できない自分=ダメ】という認識を持ちやすくなるのです。
しかし、難関校が本当に求めているのは、速さよりも思考の深さです。
複雑な問題ほど、一見遠回りに見える試行錯誤の中に本質的な理解があります。
仮説を立て、失敗し、条件を整理し直す。
このプロセスを丁寧に踏める子は、初見問題への対応力が高く、学年が上がるほど伸びていきます。
にもかかわらず、【まだ解けてないの?】【他の子は終わってるよ】という声かけをしてしまうと、子どもは考えること自体を怖がるようになります。
親が意識すべきなのは、【どれくらい考えたか】【どこまで理解しようとしたか】に目を向けることです。
たとえ答えが間違っていても、【その考え方は面白いね】【そこに気づいたのはすごい】と深さを評価する。
その積み重ねが、子どもにとって思考することを前向きな体験に変えていきます。
速さは後からいくらでも身につきますが、深く考える姿勢は、今この時期にしか育たないのです。
③塾を【失敗の練習場】と定義し直す
塾でのテスト結果や宿題の出来を見て、【こんなミスをして大丈夫なのか】【この成績で本番に間に合うのか】と不安になるのは自然なことです。
しかし、その不安がそのまま子どもへの評価になってしまうと、塾は【失敗してはいけない場所】に変わってしまいます。すると子どもは、挑戦よりも回避を選び、難しい問題に向き合わなくなります。
本来、塾の役割は結果を出す場ではなく、失敗を蓄積する場です。
入試本番では、一つの失敗が命取りになりますが、塾では何度間違えても失点にはなりません。
むしろ、どこでつまずいたのか、なぜ誤った判断をしたのかを安全に検証できる、極めて貴重な環境です。
ここでの失敗は、将来の正解を支えるデータに過ぎません。
親ができる最も大切な関わりは、【塾では思い切り失敗していい】と明確に伝えることです。
点数や順位よりも、【今日はどんな間違いをした?】【何が難しかった?】と問いかける。
その姿勢が、子どもに挑戦する勇気を与えます。
塾を失敗の練習場として再定義できたとき、子どもは結果に縛られず、本番で最大の力を発揮できるようになるのです。
【学校の土台】は最強の武器になる
学校では評価され、塾では伸び悩む。
そのギャップは多くの家庭が通る道です。
しかしそれは、子どもの能力が不足している証拠ではありません。
むしろ、学校という環境で、基礎学力や学習習慣、真面目に取り組む姿勢をしっかり身につけてきた証でもあります。
この【学校の土台】は、正しく使えば極めて強力な武器になります。
重要なのは、その土台の上に何を積み上げるかです。
確認型の学習から脱却し、試行錯誤を許容する学習へ移行できれば、塾での苦戦は成長の前兆に変わります。
ミスを分析し、考える時間を恐れず、深さを評価される経験を重ねることで、思考力は確実に育っていきます。
そして、その転換を支える最大の要因が、親の評価軸です。
点数や順位で一喜一憂するのではなく、挑戦した姿勢や考え抜いた過程を認める。
塾を【失敗の練習場】と捉え直す。
その一貫したメッセージが、子どもに安心感と挑戦する勇気を与えます。
学校で築いた安定した基礎があるからこそ、子どもはより高いレベルに挑戦できます。
今の苦戦は、決して遠回りではありません。それは、伸びる準備が整った証です。

















