今回は【気がついたら『賢い子』に育っている】と題し、お話していきます。
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【うちの子、地頭が良いのかも】【いつの間にかよく考えて行動するようになった】
そんなふうに、特別な教育や詰め込みをせずとも賢く育つ子がいます。
一方で、勉強を頑張ってもなかなか身につかない、物事を表面的にしか捉えられないという子も少なくありません。
では、【賢さ】とは生まれつきの才能なのでしょうか?
実は、子どもの賢さは日々の習慣や関わり方によって育まれていきます。
親が気づかないうちに投げかけている言葉や、家庭でのちょっとした体験の積み重ねが、子どもの思考力・判断力・表現力に大きな影響を与えています。
そこで今回は、【どうしたら賢い子に育つのか】を、ありがちな落とし穴、賢い子に見られる共通点、そして親ができるアプローチという3つの視点でお届けします。
気がついたときには考える力が根づいていた。
そんな育て方のヒントを、日々の子育てに取り入れていきましょう。
賢さを育てるうえでやりがちな3つの落とし穴
まず、【うちの子を賢く育てたい】と願うのは、親なら誰しも抱く思いです。
しかし、その思いが強すぎるあまり、逆に子どもの思考力や主体性を奪ってしまっているケースも珍しくありません。
【勉強しなさい】と毎日のように言い続けること。
【どうしてできないの?】と結果ばかりを責めてしまうこと。
あるいは、失敗を避けるような安全な道だけを選ばせてしまうこと。
親としてよかれと思った関わりが、子どもの自立や考える力を知らず知らずのうちに妨げています。
ここでは、子どもの賢さを育てるうえで、親が無意識に陥りがちな3つの落とし穴を紹介します。
意識を少し変えるだけで、賢い子になるために必要な思考力が大きく育ち始めます。
落とし穴①【教えすぎ】で考える機会を奪っている
子どもがつまずいていると、つい大人は手を出したくなります。
【こうやればいいよ】【こう考えると簡単だよ】と教えてあげることは、親切なようでいて、実は子どもから考えるチャンスを奪ってしまっているのです。
賢い子どもに育つためには、【わからないこと】にじっくり向き合う経験が必要不可欠です。
けれども、親がすぐに答えを与えてしまうと、子どもは【考えなくても正解が手に入る】と学び、自分の頭で考える習慣が育ちにくくなります。
大切なのは、【わからないね。じゃあどうしようか?】【どこまでならわかってる?】と問いかけること。
子どもが自分なりに試行錯誤する時間を保障することで、思考力や問題解決力が自然と伸びていきます。
教えること自体を悪とする必要はありませんが、【すぐ教えない】姿勢が、賢さを育てる大きな第一歩です。
落とし穴②結果主義で【思考の過程】を評価していない
子どもがテストで何点取ったか、学年で何番だったか。
そうした【結果】にばかり注目していませんか?
確かに成果はわかりやすく、評価の指標になりやすいものですが、それだけでは本質的な賢さは育ちません。
大切なのは、【どうやってそこにたどり着いたのか】というプロセス。
たとえば、【答えは間違っていたけど、自分で工夫して解こうとした】【前よりも時間をかけて丁寧に考えていた】など、思考の軌跡に目を向けることで、子どもの【考える力】はぐんと育っていきます。
親が結果だけに注目してしまうと、子どもは【正解しないと意味がない】と思い込み、思考の柔軟性や挑戦する意欲を失ってしまう可能性があります。
【がんばったね】【どうやって考えたの?】という声かけは、子どもの思考への関心を育て、自信と意欲につながります。
落とし穴③【失敗=ダメ】と思わせてしまっている
子どもが何かに挑戦して失敗したとき、つい【どうしてこうなったの?】【もっとちゃんとやらないと】と言ってしまうこと、あると思います。
こうした会話が積み重なると、子どもは【失敗=ダメなこと】と学び、挑戦する意欲を失ってしまいます。
賢い子ほど、多くの失敗と向き合いながら、【なぜうまくいかなかったか】を考える経験を積んでいます。
つまり、失敗こそが考える力を育てる最高の機会なのです。
親がすべきなのは、失敗を責めることではなく、その失敗をどう振り返るかを一緒に考えることです。
【うまくいかなかったね。でも、次に活かせるとしたらどこ?】と問いかけることで、子どもは自分の行動や考えを見直す習慣が身についていきます。
【失敗=成長のチャンス】という価値観を家庭に根づかせることが、真に賢い子どもを育てるカギとなります。
賢い子に共通する3つの特徴
さて、【賢い子】と聞いて、どんなイメージが思い浮かぶでしょうか?
おそらく、多くの人が思い描くのが、テストで良い点を取る子、読書が好きな子、何でも覚えるのが早い子、でしょう。
確かにそうした要素もありますが、本当に賢い子にはもっと深い共通点があるのです。
それは、【自分の頭で考えて行動する力】を持っていること。
誰かに言われて動くのではなく、自分で問題を捉え、考え、判断し、必要ならやり直す。
この思考と行動のサイクルを自然と回しているのが、賢い子の最大の特徴です。
そしてこの力は、特別な教育や才能だけで育まれるものではありません。
日々の会話、家庭での関わり、学校での経験の積み重ねの中で、徐々に形作られていきます。
ここでは、【気がついたら賢く育っている子】に共通する3つの具体的な特徴をご紹介します。
我が子の普段の様子と照らし合わせながら、賢さの芽に気づくヒントとしてお役立てください。
特徴①疑問を持ち、考える習慣がある
賢い子に共通して見られるのが、【なんで?】【どうしてこうなるの?】という疑問を持ち、そこから自分で考えようとする姿勢です。
これは、単に知識を詰め込むのではなく、【知識を活用する力】が育っている証拠です。
疑問を持つというのは、目の前の情報をただ受け取るだけでなく、【本当かな?】【他に方法はある?】と、自分なりの視点で物事を捉えることです。
たとえば、算数の問題で【どうしてこの式になるの?】と考えたり、ニュースを見て【これは誰が決めているの?】と興味を持ったりと、日常の中で思考の幅を広げていきます。
こうした習慣は、幼い頃からの【問いかけ】によって育まれます。親が【どう思う?】【もし○○だったら?】と聞くことで、子どもは自分の考えを持つトレーニングを積むことができます。
知識よりも、【なぜ?】を大事にする姿勢こそが、真の賢さにつながります。
特徴②失敗を【次への材料】として活かしている
賢い子は、失敗に対する受け止め方が違います。ただ落ち込むのではなく、【なぜ失敗したのか】【次はどうすればいいのか】と前向きに考え、行動に変えていくのです。
この力は、自己理解と客観視ができる力とも言えます。【悔しい】気持ちは誰にでもありますが、そこで終わらず、自分を冷静に分析して【次への改善】に結びつけられるかどうかが、学びの深さを大きく左右します。
たとえば、テストの点が思ったより悪かったとき。
【もっと勉強すればよかった】で終わるのではなく、【どの問題を間違えたのか?】【なぜその答えを選んだのか?】を考える子は、次の成長が期待できます。
また、親の声かけも重要です。【また間違えた】ではなく、【どこがわかっていなかったか、一緒に見てみよう】と失敗を前向きに扱うことで、子どもの思考が深まり、自信にもつながります。
特徴③自分の学びに【目的意識】を持っている
ただ【言われたからやる】ではなく、【自分がどうなりたいか】【何のために取り組んでいるのか】を意識している子は、明らかに伸び方が違います。こうした目的意識は、学びに向かうモチベーションを内側から引き出し、努力を継続する力につながります。
【将来こういう仕事をしてみたい】【もっと○○ができるようになりたい】といった小さな目標でも、自分の中に理由がある子は、壁にぶつかったときも踏ん張ることができます。
逆に、【やらされている】感覚が強い子は、結果が出ないとすぐに諦めてしまいやすいのです。
目的意識は、親との日常の対話から育ちます。
【なんのために勉強してるの?】【できるようになると、どんなことができる?】といった問いかけを通じて、子どもが自分なりの意味を見出せるようサポートしましょう。
学ぶ意味を自分で見つけられる力は、受験や社会に出てからも武器になる、大切な賢さの土台です。
家庭でできる3つの具体的な育て方
ところで、賢い子は、日々の家庭環境と親の関わり方の中で育ちます。
特別な塾や教材を用意しなくても、日常生活の中に考えるきっかけをちりばめることで、自然と【地頭の良い子】【自ら学ぶ子】に育っていくのです。
そのカギは、子どもに考えさせる習慣をつくり、挑戦を応援し、思考のプロセスに価値を見出す環境を整えること。
決して難しいことではありませんが、少し意識を変えるだけで、子どもの行動や言動に変化が見られるようになります。
ここでは、家庭で今日から実践できる【賢さを育む3つのアプローチ】を紹介します。
日々の声かけや習慣を変えるだけで、子どもは自分で考える楽しさに目覚め、知らないうちに賢い子へと育っていく軌道に乗る確率が高まります。
アプローチ①【問いかけ】を通じて考える時間を増やす
賢い子に育てるうえで最も効果的なのが、親が問いかける習慣を持つことです。
子どもに【なぜ?】【どう思う?】【もし○○だったらどうする?】と聞くだけで、思考を広げるきっかけになります。
問いかけは、正解を求めるものではありません。
子どもが自分の言葉で考えを表現しようとすることに意味があります。
ニュースを見ながら【どうしてこうなったと思う?】、絵本を読んだあとに【登場人物はどんな気持ちだったかな?】と尋ねてみましょう。
こうした対話を日常的に続けていくと、子どもは【考えることが楽しい】と感じ始め、自発的に問いを立てるようになります。これは受け身の学びから脱却するための、大きな一歩です。
この時、親は答えをすぐに出させようとせず、ゆっくり考える時間を大切にしましょう。
考える習慣こそが、賢さを育む土台です。
アプローチ②【できた・できない】より【工夫と努力】を認める
子どもが何かに取り組んだとき、親はつい【できたかどうか】に注目しがちです。
しかし、【うまくいったかどうか】よりも、【どうやって取り組んだか】【どんな工夫をしたか】を評価することで、子どもの思考力と意欲が育ちます。
たとえば、テストの点が思うようにいかなくても、【工夫して時間をかけたところがあったね】【この考え方、前よりも深くなってるよ】と声をかけると、子どもは結果だけでなく努力の価値に気づくようになります。
この視点を持つことで、子どもは失敗を恐れず、思考や工夫に意識を向けるようになります。
結果よりプロセスに注目することは、自分の学びを客観視する力にもつながります。
そして、努力や工夫を認める声かけは、子どもにとって【もっと考えよう】【次はこうしてみよう】という原動力になります。
日常の中で意識的に増やしていきましょう。
アプローチ③子どもが選び、決める経験を増やす
思考力を育てるためには、【自分で決める経験】が不可欠です。
親が先回りして【こうしなさい】【これが正解】と決めてしまうと、子どもは考える機会を奪われ、受け身な姿勢になってしまいます。
たとえば、休日の過ごし方や勉強の順番、習い事の継続など、子どもに選ばせる場面を意識的に増やしてみましょう。
【どうしたい?】【どっちを選ぶ?】【理由はあるかな?】と聞くだけで、子どもは自分の判断に責任を持ち始めます。
自分で決める経験を積むことで、【考える→選ぶ→行動する】というサイクルが自然と身につきます。
これは、学びだけでなく、人生を自分の力で切り開くために欠かせない力になるので、是非、普段の生活でも積極的に取り入れてみてください。
小さな決断でも、親が尊重してくれることで、子どもは自信を持ち、自立的に行動するようになります。
【選ばせる】【任せる】は、賢い子への最短ルートです。
気がついたら【賢い子】になる家庭の習慣
賢い子とは、特別な才能がある子ではなく、【日々の積み重ねで、考える力を身につけた子】です。
そしてその力は、親の関わり方ひとつで大きく変わります。
・答えを与えるより、問いかける
・結果より、思考の過程を認める
・指示より、選ばせて任せる
この3つの視点を大切にするだけで、子どもの内側から賢さが育ち始めます。
気づいたときには、子どもが自分で考え、判断し、学びを楽しめるようになっている。
そんな家庭環境を、ぜひ今日からつくっていきましょう。
 
  
  
  
   
       
       
       
       
      
