今回は【『勉強のセンス』が育っている子の見分け方】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
【うちは中学受験はしないけれど、学区の中学で上位をキープして、将来的にはトップ高校や進学校に進んで欲しい】
そう考えるご家庭は少なくありません。
とはいえ、最近では小学生のうちから塾に通い、受験勉強に取り組む子も増えてきています。
そのような環境にあって、【このまま普通に小学校の勉強をしているだけで、本当に通用するのだろうか?】という不安を抱く方もいます。
とくに心配なのは、受験勉強をしていない子どもたちが、知らず知らずのうちに【学び方】や【考え方】で差をつけられてしまうこと。
高学年になるにつれ、基礎学力だけでなく、思考力・表現力・学習の持続力といった学力の土台が問われる場面が増えてきます。
中学に入ってから成績が急に伸びる子もいれば、逆に小学校時代の貯金だけで伸び悩む子もいます。
その差は、目に見えにくい学びのセンスにあることが少なくありません。
では、その【勉強のセンス】、【学力スキル】とは一体何なのでしょうか。
地頭なのか、記憶力なのか、 性格なのか、と色々と頭に浮かんできますが、答えはそれほど単純ではありません。
【センス】は先天的な才能という部分も多少なりともありますが、日々の生活や学び方の中で少しずつ育てられる思考と習慣の積み重ねです。
特別な教育を受けなくても、家庭の中での関わり方次第で、しっかりとした学力の基盤は作れます。
そこで今回は、【中学受験をしなくても伸びる子】に共通する特徴や、家庭でできる学びのサポート、そしてトップ高校を目指すうえで小学生のうちから意識しておきたい学習習慣について、ご紹介していきます。
中学進学後に伸びる子になるためのヒントを、ぜひご一緒に探っていきましょう。
勉強のセンス=理解・思考・再現力のバランス
まず、【勉強ができる】と【センスがある】は違うところがあります。
一時的にテストで高得点を取っていても、それが【将来も伸び続ける学力】につながるとは限りません。
小学校3年生の前半までは、暗記中心の内容が多く、コツコツ覚えた子が良い成績を取る傾向があります。
しかし、その【覚えるだけの学力】は、中学以降に壁にぶつかることが少なくありません。
一方で、成績はそこまで目立たなくても【この子、センスあるな】と感じる子がいます。
彼ら彼女たちの特徴は、知識量ではなく【理解力】【思考力】【再現力】のバランスが取れていることです。
理解力とは、単に答えを知っているだけでなく、【なぜそうなるのか】を筋道立てて理解する力であり、思考力は、それを他の問題や状況に応用する力です。
そして再現力は、一度学んだことを必要な場面で引き出し、使える形で再現する力です。
つまり【勉強のセンスがある】とは、公式や言葉を機械的に覚えているのではなく、それを使って考える力がすでに根付いているということなのです。
こうした力を持つ子は、中学・高校と学年が上がっても伸び続ける傾向があります。
【センスがある子】と聞くと、計算が速い、漢字が得意といったスキル的な得意さを思い浮かべるかもしれません。
しかし、そうした表面的な優位性よりも、実際には【考え方】や【学び方】に注目すべきです。
たとえば、算数の文章題で【なぜこの式になるのか】を自分の言葉で説明できる子。
国語の記述問題で【本文のどこからそう思ったのか】を根拠付きで答えられる子。
これらは、単に答えを知っているのではなく、自分の中で理解し、整理し、それを他者に伝える力がある証拠です。
また、間違えた問題に対しても特徴があります。
センスのある子は、ただ正解を覚え直すのではなく、【なぜ間違えたのか】を自分で考え、【次はこうすればいい】と修正する力を持っています。
これは再現力に直結し、学力の持続的な伸びに大きく貢献します。
さらに、【応用力】が自然に備わっている子も多く見られます。
基本問題と少しひねった応用問題の間にあるつながりを発見し、自分なりにアレンジして解こうとする姿勢は、まさに【学びのセンス】の象徴といえるでしょう。
では、親としてわが子にセンスが育っているかどうかを、どのように見分ければよいのでしょうか。
ここでは家庭内で見られる学びの地力のサインをいくつか紹介します。
まず一つは、【わからないことを素直に聞ける】ことです。
これは単に質問するという行動だけでなく、【自分がどこでつまずいているのか】を言語化しようとする姿勢が大事です。
自分の理解の輪郭を把握しているという点で、非常に価値のある力です。
次に、【答えそのものよりも、考え方を説明したがる】ことです。
正解したかどうかよりも、【どうやってそこにたどり着いたか】を重視する子は、思考を深める習慣が身についている証です。
親が【それ、どう考えたの?】と促すと、さらにこの傾向が強化されます。
そして最後に、【間違えた問題への抵抗感が少ない】こと、です。
センスのある子は、失敗をやり直しの材料と捉えます。
【一度できなかった問題でも、またチャレンジすればできる】と前向きにとらえる姿勢は、学びに対する健全なメンタルの証でもあります。
このように、【勉強のセンス】は特別な才能ではなく、日々の学びの中で育つものです。
親が見逃さない目を持ち、子どもの思考や姿勢に目を向けることで、小学生のうちから確かな学力の土台を築くことができます。
【受験しないけど伸びる子】が育っている家庭の習慣
さて、中学受験をしない子が、中学で成績上位をキープし、進学校に進んでいくためには、家庭での過ごし方や学習への向き合い方が重要なカギを握ります。
実際に【受験はしないけれど伸びている子】の家庭には、いくつかの共通点があります。
ここでは、そんな子どもたちが育つ家庭習慣を3つの観点から紹介します。
- 短期勝負ではなく、伸びる前提で暮らす
受験をしない=のんびり構えてよい、というわけではありません。
ただし、焦って短期的な成果を追い求めるよりも、【今はできないことも、これから育てていけばいい】という長い目で学びを見守る姿勢が、子どもの地力を大きく育てていきます。
たとえば、定期テストや小テストの結果に対して、【できなかった=ダメ】とすぐ判断するのではなく、【どこがわからなかった?】【どこまでは理解できた?】と、プロセスに目を向ける家庭の子どもは、自分の成長を前向きにとらえる傾向があります。
こうした環境では、学ぶこと自体を楽しむ子が多く、他人との比較ではなく【昨日の自分よりできるようになる】ことに価値を見出すようになります。
小学校の通知表や模試の偏差値も、【結果を受け止めて次に活かす】ための材料ととらえられれば、数字に一喜一憂することも減り、冷静に学びを進められます。
- 【教えない親】が子どもの自学力を育てる
【子どもが困っていたら、すぐに教えてあげたい】と、親なら誰もがそう思うものです。
しかし、受験をせずとも伸びる子どもを育てる家庭では、むしろ教えすぎないことを大切にしています。
【ここ、どうやるの?】と聞かれたときに、すぐに答えを教えるのではなく、【どこまでは自分でわかった?】【前にやったあの問題と似てない?】と問いかけ返すことで、子ども自身が考え直す時間を確保します。
このプロセスこそが、思考力や問題解決力を育てる土台となります。
また、【調べてごらん】【図にしてみたら?】というアドバイスを通して、子どもは自分で調べ、試行錯誤しながら解決へ向かう姿勢を身につけていきます。
親が100%答えを持っているわけではないことを伝えるのも、実は大切なポイントです。
【一緒に考えよう】と言ってあげることで、子どもは【考えることは楽しいことなんだ】と自然に感じるようになります。
自分で学び、自分で乗り越える力は、まさに中学以降の学力に直結する自走力の原型です。
- 【読書・対話・計画力】こそが地頭を育てる
地頭がいいと言われる子どもの多くは、家庭での読書習慣と親子の対話の時間がしっかり確保されています。
とくに読書は、語彙力・表現力・背景知識の源であり、国語はもちろん、理科や社会の読解力にもつながります。
親が読み聞かせをしていた家庭で育つ子は、言葉に対する敏感さや好奇心が高く、読書を通じて【知らないことに出会うのが楽しい】という感覚を持ちやすくなります。
さらに、読んだ本の内容について【どう思った?】【なんでそういう行動をしたと思う?】など、親子の対話を重ねることで、論理的に考える力が自然と身についていきます。
また、小学生のうちから【勉強の計画を自分で立てる】習慣を少しずつ育てておくことも重要です。
最初は親と一緒に【今日やること】【1週間の予定】を確認するところから始めて、徐々に自分で管理できるようになると、中学生になってからも自分のペースを崩さずに学習を継続できます。
塾に通わせることも一つの手段ですが、塾に行く前に【自分の学びを自分で整える力】を持っているかどうかが、その後の学習の伸び方を大きく左右します。
このように、【受験をしなくても伸びる子】は、特別な才能に恵まれた子ではありません。
むしろ、家庭の中で考えることを楽しみ、自分で学ぶ姿勢が自然に育っている子どもたちなのです。
親のちょっとした関わり方や習慣の積み重ねが、子どもの将来の学力に直結する。
そう考えれば、今日からでも始められることがたくさんあるはずです。
トップ高校・2番手校を見据えた学力の育て方
ところで、小学生のうちはまだ先と思われがちな高校進学ですが、実はこの時期からの学び方が、その後の進路に大きく影響してきます。
中学受験をしなくても、学区の中学で最上位層に入り、地方の偏差値65以上の進学校を目指すことは十分可能です。
ただし、それには【小学生の今だからこそ育てられる学力の土台】を意識していく必要があります。
多くのご家庭が見落としがちなのが、【中学1年生の春】からすでに勝負が始まっているという事実です。
中学に入ると学力調査テストのようなテストがおこなわれます。
ここで大きな差がつくことがあります。
この段階で最上位に立つ子の多くは、小学生のときから【教科書+α】の視点で勉強してきた子です。
教科書の内容をただ暗記するのではなく、【なぜそうなるのか】【どう使うのか】を自分なりに考える習慣がありました。
つまり、勉強時間の長さよりも、どのように学んできたかが大切なのです。
そして、【先取り】よりも【深掘り】するようにしてください。
たとえば、小学5年生の算数の単元である【平均】を習ったら、日常の出来事やニュースと関連づけて【これは平均の考え方だ】と気づけるような力が勝手に身についていた。
こうした経験が中学の学習にスムーズに接続し、最初から勢いよくスタートを切れる下地になります。
また、中学生になると、教科書の内容は一気に複雑化し、情報量も格段に増えます。
とくに理科・社会・英語といった暗記要素の強い教科では、【丸暗記でなんとかなる】のは最初だけです。
すぐに知識同士のつながりや、背景理解が求められ始めます。
ここで力を発揮するのが、【学び方を学ぶ力】です。
これは単なるやり方の話ではなく、【どうすれば理解しやすいか】【どの順番で学ぶと覚えやすいか】【どんな形で整理すれば頭に入るか】といった、自分なりの学習法を組み立てる力を意味します。
社会の用語を覚えるときに、ただノートに書くのではなく、【この出来事は何につながってる?】【この法律はどんな影響を与えた?】と関連づけて覚える癖がある。
英語なら、単語を覚えるときに例文を作ってみる。
理科なら、図や表で視覚的に整理してみる。
こうした工夫の積み重ねが、受験期に大きな力になります。
この学び方の工夫は、小学生のうちから少しずつ習慣にできます。
【今日学んだことを一言でまとめてみよう】【ノートを見直して、わかりづらいところを整理してみよう】といった習慣は、中学に入ってから自分で学ぶスキルとして生きてきます。
家庭学習以外にも、塾の存在感が増してくる時期がやってきます。
小学校高学年や中学に進学してから、学力向上の手段として塾を選ぶ家庭も多いでしょう。
確かに塾は受験対策や定期テスト対策において有効なサポートをしてくれます。
しかし、学習の主役はあくまでも【子ども自身】です。
塾に行けば伸びるという受け身の学習では、トップ高校の上位層には太刀打ちできません。
進学校の上位にいる子は、塾で習ったことを【理解した】で終わらせず、【自分で解釈し、応用できる形に再構成】しています。
宿題以外の勉強も勝手に自主的にやります。
また、中高一貫校の生徒たちは、既に高度な内容を学び始めていることも多いため、彼らに追いつくには【自走力】=自分で計画を立て、必要な学習を進める力が高校受験組には不可欠です。
そのためには、小学生の段階から【問題を解く力】だけでなく、【考えを組み立てる力】【説明する力】も意識して育てていく必要があります。
このように、【解ける】より【考える】【伝える】力を重視した学び方は、今後の高校・大学受験でも一貫して求められていくスキルです。
トップ高校や2番手校といった進学校を目指すには、単なる学習量や塾通い以上に、学び方そのものの質をどう高めていくかが問われます。
小学生の今だからこそ、時間に余裕がある今だからこそ、【自分で学ぶ力】をじっくり育てることが、将来の飛躍に直結するのです。
【勉強のセンス】は、生まれ持った才能ではありません。
それは、日々の学び方や考え方の中で、少しずつ育っていく力です。
家庭の中で【考える】【つなげる】【伝える】といった学びの型を意識させていくことで、将来の大きな学力差へとつながっていきます。
小学生のうちは、まだテストの点数にとらわれすぎる必要はありません。
それよりも大切なのは、【なぜそう思ったのか】【どうやって答えにたどり着いたのか】といった考えのプロセスに注目することです。
親がその部分を丁寧に聞き、言葉にさせていくことで、子どもの中に自分で学ぶ力が根付いていきます。
学区の中学に進学し、最上位層をキープする子の多くは、まさにこの【自走力】を小学生のうちに育ててきた子たちです。
そしてその力は、トップ高校や進学校の合格、その先の大学受験でも確実に強みになります。