今回は【子ども同伴の田舎への移住 田舎の教育環境と理念を理解しないと絶対後悔する。 でも強みに転換もできる】と題して、お話をしていきます。
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教育に特化した、YouTubeチャンネルでは中学受験や家庭教育、高校受験、大学受験と受験ばメインです。
しかも、大都市圏や地方都市にお住いの方々向け、というものがほとんどですよね。
そこで、今回はあえて謎に包まれている田舎の教育事情を取り上げていきます。
おそらく、ずっと都市部で育っている方からすると未知の世界だと思います。
インターネット上では定期的に田舎特有の考え方が批判の対象になったり、炎上したりしていますよね。
都市部でしか生活して来なかった方々には、相容れないものがあるかもしれません。
同じ日本だけど、異質の文化、世界という感覚で。
ただ、これは日本だけの話でなく、どの国に行っても都市部と田舎に住んでいる人の考え方とは異なると思います。
さて、話を戻しましょう。
ここでいう田舎は、周りは田んぼや小高い丘のような山に囲まれて、という農村風景が広がる田舎を前提にしています。
私の母方、こういう農村地帯出身で、田舎の教育事情を小さい頃から見聞きして育ってきました。
退職間際や退職してから田舎に移住する、というパターンはよくネットニュースで取り上げられて、たいてい後悔したという終わり方をしますよね。
それとは違い、田舎を単にディするのではなく、田舎の教育環境を取り上げて、【子育て世代の移住の難しさ】や【子どものいる家族の田舎移住】で起こりやすい問題点を考えていきます。
自然豊かな場所でのびのびと子育てしたい、という考えを持っていると、都市部の生活よりも地方の集落への移住に魅力を感じる方が多いと思います。
地方自治体では、移住者募集とか、説明会を開催しており、移住希望者にとってはウェルカムな環境です。
近所同士、助け合って生活するなど大都市ではちょっと難しい環境が待っている、とワクワクするかもしれませんが、そんな素晴らしいことばかりではありません。
1.子どもの数が少ない
まず、子どもが少なくなっています。
田舎でも多い地域もありますが、市街地に比べれば少ないです。
私が小学生の頃、母の実家の周辺で同じ年頃の子は2人の兄弟しかいませんでした。
家は田舎らしく、広い間隔で点在していたのですが、同じ集落に子どもが2人。
田舎と聞くと虫取りとかしている子どもの姿を思い浮かべるかもしれませんが、夏休みに泊まりに行っても、誰も外で遊んでいません。
昭和から平成初期にかけてその程度です。
少子化が進んでいる今は、もっと少なくなっていると考えるのが自然です。
【色々な子と触れあって刺激を受けて成長する】が難しい環境です。
2.バス通学で歩く機会が奪われる
少子化が進んでいる農村地帯では、小中学校の統廃合が進み、徒歩ではなくバス通学というのも珍しくありません。
バス通学なので、バスが来る時間にバス停に確実に集合する必要があります。
車酔いしやすい子にとっては通学事態が苦痛になります。
また、バス通学になると歩く機会が奪われます。
3.意外と遊ぶ場所が少ない
都市部では、公園が整備されていますが田舎は子どもが少ないので公園を整備する必要がありません。
のびのびと遊ばせるつもりが、家の庭先くらいしか遊ぶ場所がない、ということがあります。
林や丘、川は子どもだけで行くと命に係わるような危険がいっぱいです。
整備する必要もないので、自然のまんまなんですよね。
自然との距離は近い、というか周りは自然だらけなのですが、好き勝手に遊びに出かけられないです。
ちなみに、日本で一番公園の多い自治体は東京都です。
4.習い事や塾がほぼない
たま~に、公文や学研の教室が集落の中心部にあったりすることもありますが、期待できません。
幼児期ならまだ気になりませんが、小学生になると【ピアノやらせたい】【スイミング通わせたい】【勉強系の習い事させたい】と思っても、市街地にあるような習い事はほぼありません。
習い事や塾に通うなら、車で送迎をするのが当たり前。
親の負担もばかになりません。
5.中学の部活動が合同チームになりやすい
子どもの数が少ない地域の中学に進学してみると、部活動の選択が少なく、【よりどりみどりの部活動】とはほど遠く、本当は入りたかった部活がないケースもあります。
運動系なら近隣中学校との合同チームを作って大会に参加することも珍しくありません。
練習する場所も日によっては異なり、土日は親が車で連れて行って他校で練習をする、ということもあります。
6.高校進学の選択肢が極端に少ない
義務教育の小学校や中学校は、市町村の人口比率に合わせて設置されています。
しかし、高校はそういう考えがなく、田舎に住んでいる子にとっては進学先選びが限られてしまいます。
自分の学力や志望進路に見合うような学校が通学範囲内にない、など。
都市部に住んでいる人からしたら、信じられないことかもしれませんが、田舎あるあるです。
また、実際に通学しようにも、公共交通機関は寂れている、廃止になった、朝は一本しかバスが通っていない、帰りのバスを逃したら歩いて帰るしかない、と通学するのも難しい状況です。
自転車で通学する場合は、片道1時間半を超すなど。
部活に入っていれば、田舎の暗い道を自転車で帰ることになります。
地方でも、市街地に住んでいる子は割と容易に通学出来ます。
ですが、田舎に住んでいる子にとっては、かなりのハンデを背負って通わないといけなくなります。
7.地元に残るのが当たり前という考え
田舎だと、教育熱が高い家庭や親が悪目立ちします。
高学歴なのは、代々地元の名士だったり、医者や薬局経営など一部の一族に限られています。
大学行くなら地元の役場に就職し、幹部候補を目指すコース、とあくまで地元に残ることが前提。
とくに、女の子が都会の大学に行くとなったら大騒ぎになります。
まとめ
幼児期なら、自然の中でのびのびと遊ばせることができます。
しかし、小学生になり、中学生になると田舎の現実に直面することが多くなります。
とはいえ、大学進学時に田舎で生活をし育っているということを活かすこともできます。
地域活性化に自治体と一緒に中学生や高校生の頃から取り組んでいると、大学受験の際に、総合型選抜や推薦を利用した入試だと大きなアピール材料となるからです。
ただ、そこに到達するには、やはり大学進学率が高い高校に進学するといった戦略も必要です。
周囲の目を気にしない強さも必要です。
そして、大学進学者が少ない高校には行かないようにしてください。
勉強するのをバカにされたり、授業崩壊していたりと、足を引っ張られる可能性があります。
塾が近くにない時は、通信教材や、オンライン授業サービスを受けて高校受験や大学受験学に備えることも大切です。
総合型選抜といった入試で受験する際は、小論文の出来がカギとなります。
書く力も鍛えておくと強い武器になります。
田舎への移住は、土地の文化やしきたりをすごく理解し、そして子どもの成長に合わせた進路選択を親の移住という決断で狭めないようにする、という考えをしっかり持って検討して欲しいな、と田舎を知っている人間として強く思います。