今回は【上位では足りない 最上位層に求められる本当の実力とは】と題し、お話をしていきます。
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ありがとうございます。
【うちの子はテストでいつも90点以上。でも、なぜか塾の模試では全然トップ層に届かない】
【学校のクラスでは優等生の立場だけれど中学でもそのままトップ層になれるか気になる】
子供の学力を測る物差しは、いくつもあり、【思っていたのと違う】となることも珍しくありません。
クラスでも成績上位、小学校の通知表も良好なのに、中学校に入ると最上位層になれない、高校受験でもトップ高校や2番手校にあと一歩届かない。
その見えない壁は、どこから生まれるのでしょうか。
小学生のうちは、学習の基本が【計算が速い】【漢字を覚えている】【暗記が得意】といった比較的シンプルな力で測られがちです。
けれども、学年が上がるにつれて、問われる力は少しずつ複雑になります。
文章量が増え、設問の意図を読み解き、自分の考えを記述で表現することが求められる。
そうした【思考力】【読解力】【表現力】は、小学校中学年あたりから少しずつ差が開き始め、中学生になる頃には明確な層の違いとして現れてきます。
そしてそのとき、【成績上位層】と【最上位層】の違いが、はっきりとしてくるのです。
基本問題はほぼ完璧だけれど、応用問題になると手が止まってしまう。
記述式になると、答えがずれる。
問題文を読むスピードが遅くて、時間が足りない。
こうした悩みが増えるのは、最上位層との差が思考の深さや情報処理の速度にあるからです。
そこで今回は、そうした最上位層に共通する力を解き明かし、今から家庭でどのように伸ばしていけるのかを、3つの観点から考えていきます。
点数だけを追いかけるのではなく、子どもたちの【考える力】【伝える力】【読み取る力】を育てるにはどうすればよいのか、今からできる工夫を探っていきましょう。
ミスをしない盤石な基礎力が最上位層の前提
まず、ミスをしない盤石な基礎力が最上位層にいる前提の条件です。
学力において、最上位層と上位層の最大の違いは、【できるかどうか】ではなく、【絶対に間違えないかどうか】にあります。
上位層の子どもは、基本問題を解く力は十分に持っています。
しかし最上位層の子どもは、その【できる力】【基本を解ける力】を完全に定着させ、精度の高いアウトプットを発揮します。
どうしても、【できる】と【確実にできる】の差は出てしまいます。
たとえば、算数の計算問題や漢字の読み書き、理科の基本用語、英単語の意味などは【わかっている】ことと【テストで100%正確に出せる】ことの間に、大きなギャップがあります。
最上位層の子どもたちは、こうした基本事項をまるで身体の一部のように、無意識で、しかも正確に使いこなすことができます。
これは、特別な才能ではなく、習慣と意識の差です。
正確に覚えることを当たり前とし、ミスが起きたときには【なぜミスをしたか】を自分なりに分析して修正する。
このような思考と習慣が、最上位層の子どもたちには根づいています。
そして、ケアレスミスが【本当の弱点】になるので軽視しません。
よく【惜しいミスが多くて、もったいないんです】と少々軽い感じで口にする親はいます。
しかし、この【惜しいミス】こそが、最上位層との差を生む最大の要因になっていることが多いです。
ケアレスミスというと、雑にやったり注意不足だったりと捉えがちですが、実際にはそう単純ではありません。
ミスを繰り返す子どもには、【確認を習慣化する】という意識そのものが欠けているケースがあります。
つまり、【わかったからいいや】【多分合ってるだろう】という感覚的な判断で学習を終えてしまう傾向があるのです。
最上位層の子は、当たり前のように【最後に確認する】【自分で理由を説明できるかを確かめる】ことをルーティンにしています。
考えずに感覚で進めることを避ける習慣が、精度の高さに直結しているのです。
最上位層を目指すのであれば、【基礎の盤石化】は避けられません。
では、こうした盤石な基礎力は、家庭でどのように育てることができるのでしょうか?
特別なことをする必要はありません。
毎日コツコツと、基本の質を高める工夫がカギです。
たとえば、朝の数分間を使って、計算問題を3問だけ丁寧に解く。
単に解かせるのではなく、【正確にやること】を意識づけ、終わったら本人に【どこでミスが起きやすいか】を口頭で説明させる。
それだけで子どもはミスに対する意識が高まります。
漢字練習でも、ただ書かせるだけでなく、意味や使い方を一緒に確認し、【読めて、意味がわかって、正しく書ける】までを目標にすると、記憶の質が高まります。
また、【正しく丁寧にやることが当たり前】という家庭の空気づくりも大切です。
スピードよりも正確さを重視する。
解き終わった後に【ちゃんと確認した?】と声をかけるだけでも、子どもの意識は変わってきます。
【うちの子は理解力があるのに、どうも伸び悩む】という場合、実はこの基礎の精度に課題があることが少なくありません。
最上位層は、基礎においてほぼノーミスの状態をつくり、それを当たり前の水準として持っています。
この【盤石な基礎力】があるからこそ、次の段階である応用力・記述力・思考力の伸びがスムーズに育っていくのです。
応用力・記述力・読解力の思考の深さが差を広げる
さて、最上位層と上位層の差は、【わかっているか】ではなく、【どこまで深く考えられるか】にあります。
とくに、応用問題や記述問題、長文の読解において、その差は一気に広がります。
ここからは、最上位層の子どもたちに共通する深く考える力の中身を具体的に考えていきましょう。
まず、応用問題で止まらない子は何が違うのかと考えてください。
多くの子がつまずくのが、【見たことがない問題】や【ひとひねりされた問題】です。
問題を前にして手が止まる。
どこから手をつけてよいか分からない。
こうしたとき、最上位層の子どもたちはどう反応するか。
彼ら彼女たちは、たとえわからなくても【考えようとする】ことをやめません。
問題の構造を読み取り、知っている知識から当てはまりそうなパターンを試し、少しずつ解きほぐしていきます。
つまり、最上位層の子どもには、【初見問題への抵抗感が少ない】【試行錯誤を楽しめる】という共通点があるのです。
これは、才能ではなく思考習慣の違いです。
答えがわかるかどうかではなく、わからないときに【どう向き合うか】が、応用力の差となって表れます。
次に、記述式問題では、単に答えを導く力だけでは不十分です。
設問の意図を読み取り、自分の考えを筋道立てて表現する必要があります。
【読む力】【考える力】【伝える力】のすべてがそろって、初めて高得点が狙えるのです。
記述でつまずく子の多くは【書く力】以前に、【設問文の意味を読めていない】という問題を抱えていることがあります。
【理由を2つ述べなさい】と書いてあっても、1つしか答えない、もしくは、2つ書いても同じ内容を何の疑いもなく書いてしまうなどです。
また、【あなたの考えとその根拠】と書かれていても、感想だけを書いてしまう子もいます。
最上位層の子どもたちは、設問の読み取りが的確です。
問いの求める内容に正確に応じて、自分の言葉で要点をまとめ、論理的に説明することができます。
こうした力は、小学生や中学生でも要約練習や語彙力トレーニングを通して、十分に育てることが可能です。
そして、今の受験は、学習指導要領改訂の影響も受けて限られた時間の中で多くの情報を処理する力が求められます。
つまり、【読むスピード】と【考えるスピード】が試されるのです。
最上位層の子どもたちは、文章を読む→理解する→判断するまでの流れが非常に速く、かつ正確です。
一方、読むスピードが遅い子は、問題を解く前の段階で時間を消費してしまい、最後までたどりつかないこともしばしばあります。
ここで重要になってくるのは、単なる速読ではなく、【正確に読み解くスピード】です。
この力は、読書量だけでなく、日々の問題演習の中で【設問の意図を意識しながら読む】ことによっても鍛えられます。
読む習慣と読みながら考える習慣がセットで根づいているかが、スピードと思考の質を左右します。
最上位層の子のこうした応用力・記述力・読解力は、学校や塾だけで育つものではありません。
むしろ、家庭での日常的な関わり方が大きなカギを握っています。
読解問題を音読させながら、親子で設問の意味を確認する。
問題の内容について【どう思う?】と当たり前のように問いかける。
子どもに説明をさせることで、【考えて話す→言葉にする】という力が養われます。
また、読書の習慣がある家庭では、【感想をただ言う】のではなく、【何が印象に残ったか】【作者は何を伝えたかったと思うか】など、思考を深める会話が交わされています。
こうした対話が、書く力や表現力の下地になります。
記述や読解の力をつけるには、難しい教材よりも、【一緒に読む・一緒に考える】時間を確保する方が、はるかに効果的です。
そして、速く読むことではなく、丁寧に読む=精読の習慣づけを意識することが、長期的な学力の底上げにつながっていきます。
最上位層の子は【考えること】に喜びを感じている
ところで、学力の差は、テストの点数だけで決まるものではありません。
最上位層の子どもたちに共通して見られるのは、【考えることそのものに喜びを感じている】という点です。
勉強そのものが苦ではなく、むしろ楽しんで取り組む。
この感覚が、長期的な伸びしろにつながっていきます。
最上位層の子どもたちの多くは、【なぜ?】【どうして?】という疑問を、自分自身で追いかける姿勢を持っています。
授業で習ったことや、ニュースで耳にした話、友達との会話の中など、あらゆる場面で疑問を持ち、それを自分の言葉で深掘りしようとします。
このような【自分で探す学び】こそが、最上位層の子どもたちを育てる土壌です。
与えられた知識を覚えるだけではなく、学びを自分ごととして引き寄せる力があるのです。
これは、生まれつきの才能ではありません。
大きく影響しているのは、日常生活の中で【考える習慣】があるかどうかです。
つまり、思考習慣の差が、学力の差となって表れているのです。
そして思考習慣は、学校の授業だけで自然と身につくものではありません。
むしろ、家庭での何気ない会話の中にこそ、子どもの【考える力】を育てるヒントが詰まっています。
ニュースを見たあとに【なぜそうなるんだろうね?】と問いかけてみる。
あるいは、子どもが質問してきたときに、親はすぐに答えを教えるのではなく、【一緒に調べてみようか】【どんな理由が考えられると思う?】と返してみる。
こうしたやり取りは、知識を教えるのではなく、問いを立てる力を育てる対話です。
正解を与えるのではなく、子どもと一緒に考えることで、思考の深さや柔軟性が養われます。
また、子どもが話しているときに、【どうしてそう思ったの?】【それって別の見方もできるかな?】と掘り下げていくと、自分の考えを整理する力や、多角的に物事を捉える視点が身についていきます。
ただし、考えるという力は、親のアプローチや勉強で鍛えられるわけではありません。
現代の子どもたちは、習いごとや塾などで非常に忙しい日々を送っています。
しかし、学力の本質を高めるうえで本当に必要なのは、【考えられる時間的な余裕】を持つことです。
予定が詰まりすぎていると、問題を【解く】ことはできても、じっくり【考える】時間が取れなくなってしまいます。
宿題をこなすことに追われ、答え合わせに終始してしまえば、思考の深まりは起こりません。
ときには、問題を一緒に眺めながら、【これはどう考えるといいんだろう?】【この問いって、何を聞こうとしているんだろうね】と会話を交わす時間が必要です。
答えを急がず、問いを味わう習慣こそが、思考力の育成には欠かせません。
家庭で大切にしてほしいのは、【何をどれだけやらせるか】ではなく、【どんな質の時間を共有するか】という視点です。
子どもと一緒に考える経験は、知識を超えた学ぶ力を育てていきます。
思考力や知的好奇心は、特別な教育を受けた一部の子にしか育たないものではありません。
親が【考えることを楽しむ姿勢】を見せ、問いかけを大切にすることで、どの子にもその芽は育ちます。
最上位層の子どもたちは、決して答えを早く出す子ではなく、【問いに向き合うのを苦にしない子】なのです。
最上位層と上位層の違いは、生まれ持った才能ではなく、【日々の習慣】や【学びへの姿勢】にあります。
盤石な基礎をミスなく定着させる力、初見の問題に対しても手を止めずに考え続ける粘り強さ、記述や読解問題における深い理解と表現力、そして限られた時間で情報を処理するスピード。
こうした力は、すべて日々の積み重ねで育てることができます。
親ができることは、点数だけに一喜一憂せず、【どう考えたか】【どう取り組んだか】に目を向けること。
そして、子どもが何かを理解できた瞬間に一緒に喜ぶ、そんな時間を意識的に持つことです。
【うちの子はもう十分できている】と思ったときこそ、もう一歩先を見据えるチャンスです。
上位で満足せず、最上位を目指すための土台を、今からじっくり育てていきましょう。